県林務部は17日、諏訪郡富士見町で捕獲された雌のニホンジカ1頭の肉を調べた結果、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウム137を156ベクレル(1キログラム当たり)検出したと発表した。林務部は同日、県内に30ある食肉加工処理施設に、富士見町で捕獲されたニホンジカの取り扱い自粛を要請。飲食店や県民にも販売、摂取の自粛を求めている。 県内のニホンジカから国の基準値を超える放射性セシウムが検出されたのは、2012年6月に北佐久郡軽井沢町で捕獲された雄1頭以来で2例目。自粛要請に法的根拠はないが、県は今後、政府の原子力災害対策本部が原子力災害対策特別措置法に基づき、取り扱いの制限を指示する可能性があるとみている。 県は年40頭のニホンジカやイノシシの肉に含まれる放射性セシウムを調べている。富士見町のニホンジカは今月13日に捕獲されたうちの1頭で、16日に県環境保全研究所