その3)決定と非決定のあいだで text & photos by 木下正道(KINOSHITA Masamichi) いよいよこの私の担当分の連載も今回で最後となる訳だし、さてここは一つ大きな花火を打ち上げてみようかと、それに相応しいテーマをここ数日の間、色々と探してみて来たわけなのだが、さてさてどのテーマに関しても中々決め手を見出せず、こうして文章を書き始めている今でさえ、何について書こうか相変わらず逡巡している有様である。 ここしばらく考えてきたのは「終わり、あるいは/そして 始まりとしての80年代」というテーマで、80年代に起こった様々な技術的革新や世界情勢の大きな変化等々を振り返りながら、音楽の世界で一体「何が終わり、何が始まったか」を多角的に検討していくというものであり、実はそれなりに準備を進めてきた。 80年代はまさに私が十代の青春を謳歌した年代 (と言いたいところだが実際は色