コト消費の主役は「体験消費」。これによって人は消費者から主人公になる。昨今話題の新種の体験価値を創出するアミューズメントパークはもちろん、コンテンツ視聴後のSNS上での考察など、あらゆる場面で体験が求められている。主人公たる人々に対しては「ここに行けばこんな自分になれるかも」といった「体験妄想」をいかにかき立てるか、がマーケターの腕の見せどころとなってくるだろう。 SNSが登場した頃、そのパワーに過剰な期待をする広告主を諫めるべく様々なSNS関連書籍が「SNSは魔法の杖ではない」と口を揃えて警告した。たしかにSNSはプロモーションの魔法の杖ではなかったが、別の意味では「魔法の杖」だった。それは消費者に創造的な表現の場を与えることで、人生という物語の主人公に変えたこと。消えものの消費に伴う虚しさを「工夫を残して積み上げる」公共スペース(=SNS)の設置で解決したのだ。日々の家事の創意工夫の素