コロナ禍の影響でにわかにカミュの「ペスト」が注目を集めているらしい。 不条理が集団を襲った作品ということで「ペスト」は有名だが、カフカの「変身」は、不条理が個人を襲った作品として有名だ。 主人公、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目を覚ますと、自分が毒虫になっているのを発見する、というなんとも奇妙な出だしで、さらに言えばその後の展開も暗いのだが、個人的にはすごく好きな作品だ。なので、このエントリーで「変身」の魅力が伝われば、と思う。 変身(新潮文庫) 作者:フランツ・カフカ 発売日: 2014/10/31 メディア: Kindle版 100分de名著の中で、この小説は「孤独」がテーマだと紹介していたが、ぼくはこの小説のテーマは「疎外」ではないかと思っている。「孤独」と「疎外」はよく似ているが、少し違う。「孤独」が他者との関係を含まないものに対して、「疎外」は他者から仲間外れにされるニュア
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