2020年開催の東京五輪に向けてますます変貌を遂げつつある、東京の顔でもある山の手の副都心「新宿」、そこからさほど離れてもいない場所に、よもやそうであるとは思えない程に時代の流れに取り残されたまま、行き遅れた地域が存在する。 「都営戸山ハイツアパート」(戸山ハイツ)と称する大規模都営住宅群である。もともと戦前までは旧陸軍の演習場などがあり「戸山ヶ原」と呼ばれていた一帯が戦後になって戸山公園という都市緑地と、それを取り巻く大小35棟ある都営住宅に生まれ変わった。 都心のマンモス老朽化団地、老人と猫しかいない この団地、昭和40年代には高層棟が連なる今の姿になっているが、住民は高齢化も甚だしく、都営住宅であるゆえに低所得者層ばかりで、いつぞやのプレジデント・オンラインが公開している東京の所得分布図では都営戸山ハイツアパートのある新宿区戸山二丁目だけが最も低所得者である事を示す「濃い青色」で塗り