トラックが動物園から出てくると、ファンから悲鳴にも似た声が上がった。 「シャオシャオ!」「レイレイ!」 トラック内のパンダの姿は見えない。それでも「ありがとう」と声が飛ぶ。「いってらっしゃい」という声も。いつか園に帰って来てくれるという思いからだろうか。 中国返還が決まった後、クローズアップされたのは一目見ようと動物園に押し寄せる人々や、悲嘆に暮れるファン「ガチ勢」の姿。一方では、反中感情や「外交カード」にされることへの嫌悪感から「もうパンダはいらない」という脱パンダ論もSNSなどで盛んに目にする。 ただ、地域にとって今回の事態はより深刻だ。地元の上野では「死活問題」とさえ言われる。どういう意味か。(共同通信パンダ取材班) ▽空港まで見送る人も パンダが園を離れる日。駆け付けた埼玉県上尾市の主婦(57)は両手に2頭のぬいぐるみを抱えて嘆いた。 「とうとうこの日が来てしまった」 ファン歴は長

