ああおとうとよ 君を泣く 君死にたまふことなかれ 末に生まれし君なれば 親のなさけはまさりしも 親は刃をにぎらせて 人を殺せとをしえしや 人を殺して死ねよとて 二十四までをそだてしや 今から118年前の明治37年に、大阪・堺出身の歌人、与謝野晶子が詠んだ「君死にたまうことなかれ」 日露戦争の激戦地にいる弟の身を案じて「どうか戦死だけはしないで」と心情を吐露した近代文学の名作です。 その歌をウクライナに届けようとしているのが、大阪・八尾市で出版社を営む、小野元裕さん(52)です。大学でロシアやウクライナなどのスラブ文化を学んできました。 17年前には、ウクライナの魅力を日本に広く伝えたいと日本ウクライナ文化交流協会を設立し、会長を務めています。 ロシア軍による軍事侵攻が始まってから5か月あまり。民間人の死者は5000人を超えています。 家族や友人を亡くし、悲しみが広がり続ける現状に何かできる