クラウドの台頭に伴い、システム構築の新たな手法として「プライベートクラウド」の可能性が浮上してきた。企業とクラウドのかかわり方はどう変化しているのかを解説する。 2009年も引き続き、クラウドコンピューティング(以下クラウドと略記)が注目を集めている。しかし、自社の情報システム基盤としてクラウドを活用することに対する企業の見方は慎重だ。こうした中、ユーザー企業とクラウドの新たな関係を表す「プライベートクラウド」という言葉も登場してきた。そこで、本稿ではプライベートクラウドをテーマに取り上げ、「ユーザー企業とクラウドのかかわり方がどう変化しているのか」を解説する。 プライベートクラウドが生まれたいきさつ 今回は、「プライベートクラウドは一体何か」というテーマを取り上げる。まずはクラウドについて振り返ってみることにしよう。その特徴やメリットは以下のようにまとめることができる。 (1)利用者側は