夕食会で乾杯するエストニアのユリ・ラタス首相(左)と安倍晋三首相(右)=首相公邸で2020年2月10日、玉城達郎撮影 あまり語られていない安倍晋三元首相の功績の一つに、首相官邸の供宴スタイルの確立がある。フランス料理にフランスワインという長年の定番を、和食、日本ワイン、日本酒の3点セットに変え、さまざまに工夫を凝らした。 外国首脳に日本の食文化の素晴らしさを知ってもらい、農産物輸出を後押しし、食を話題に首脳同士の関係を深める……。食事会を外交に最大限に活用した首相だった。 官邸の食事会で幾つかの指示 まず指摘しなければならないのは、第2次安倍政権(2012年12月~20年9月)の7年8カ月、外国首脳を食事でもてなした回数の多さだ。夕食会と昼食会はざっと数えて209回で、月平均2.2回。その前の野田佳彦政権(11年9月~12年12月)の月平均1.6回、菅直人政権(10年6月~11年9月)の1
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