わたしは4人姉妹の三女として生を享けたが、長女と次女がひとつ違いで生まれたあと、8年の空白を経てメレ山家に現れた小さき者だったので、たいへん愛された。特にわたしに懐かれたいと望んだのが、同居していた父方の祖母だった。 小学校が終わると、図書館で借りた本を持って祖母の部屋に入りこみ、窓際に置かれた昭和っぽい白いカバーシーツがかかったソファに座った。そうすると、祖母が棚からおやつを出してくる。わたしはとりわけ、今も昔も変わらない味・カルビーのポテトチップスうすしお味に耽溺していた。 子育てに責任のない祖父母が孫をベタベタに甘やかす様に親が目くじらを立てるというのはよくある話だが、わたしの家のそれはだいぶ苛烈だった。わたしは幼稚園に上がる前から、先取りして何冊ものドリルを解かされていた。勉強の時間になると、母が探しにやってくる。その際にお菓子を与えられているのが見つかるとゲンコツで怒られるのが分
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