日本郵政が保有する「かんぽの宿」70施設のオリックス不動産への一括売却が白紙に戻されることになりそうだ。この件については、日本郵政やアドバイザーとなったメリルリンチの判断は正しく、鳩山邦夫総務相と多くのマスメディアの主張が間違っている。どこのメディアも書かせてくれないので、ここに記しておく。 「かんぽの宿」は、旧郵政の簡易保険加入者の福利厚生施設である。しかし、その大部分が赤字経営であるばかりか、旧郵政官僚の天下り先となっていた。こうした無駄を見直すため、郵政民営化関連法に2012年9月末までの売却が明文化されていた。この法律が策定された2005年当時は、都市部を中心に不動産のミニバブルが発生しており、政府は高額での売却を見込んだと思われる。しかし、2007年からの不動産市況の悪化とリーマン・ブラザーズ破綻後の金融機関の融資締め付けによって、世界中のマーケットから投資マネーが逃げ出してしま