前回記事の最後で、ケインズが「孫たちの世代の経済的可能性」で示している処方箋(皆が1日に3時間ずつ働く)は、ベーシック・インカムがいいのかワークシェアリングがいいのか問題に行き着く、という話をしました。その続き。 ケインズ 説得論集 作者: J・M・ケインズ,山岡洋一出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2010/04/21メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 204回この商品を含むブログ (15件) を見る よく指摘されるように、ベーシック・インカムの本質は「労働と所得の切り離し」にあります。経済成長が停滞し、終身雇用や年功序列などの制度が崩壊した現在、「労働と所得の結びつき」を前提とした社会設計そのものに限界があるのではないか、ということが言われるようになりました。失業率や非正規雇用率が上昇し、働く意志のある人すべての職が行き渡る時代ではなくなってきた。すると雇用を前
