文=吉田 航太郎 日本においてIMEの開発を担当し,実際にマイクロソフトのセキュリティ開発ライフサイクルを導入し,セキュアなアプリケーションの構築を実践している。 これまで3回に渡って,セキュアなアプリケーション・ソフトウエアを開発するにあたって開発者が考慮すべき基本的な考え方を紹介し,Webアプリケーションの例を取ってそれを掘り下げた。最終回となる今回は,より具体的な例として,セキュアなソフトウエアの開発のためにマイクロソフトの開発部門で実践され,効果をあげている開発モデルを紹介する。 マイクロソフトでは,セキュリティに対する社会的関心の高まりに応え,2002年に当時開発中だった「Windows Server2003」に対して「セキュリティプッシュ」と呼ばれるセキュリティに特化した開発フェーズを実行しました。この開発フェーズは, 開発者全員のセキュリティ技術教育 新たな知識に基づく設計の