ITとその応用の世界で次々に登場する新しいキーワードの大半は,過去にあったものの焼き直しにすぎない。一見新しいITやコンセプトを使ったプロジェクトに着手する時は,まず過去を振り返るべきだ。過去に実施された類似の取り組みを検証することで,そのプロジェクトを今回実施すべきか否か,実施する場合に何に気を付ければよいのかがわかる。 本記事は日経コンピュータの連載をほぼそのまま再掲したものです。初出から数年が経過しており現在とは状況が異なりますが、この記事で焦点を当てたITマネジメントの本質は今でも変わりません。 「ITの世界は変化が速い。したがって事前にあれこれ考えてもしかたがない。検討しているうちに状況が変わってしまう。とにかく,新しい世界に挑戦してみることだ」。こうした考え方は,消費者やユーザー企業に情報機器やアプリケーション・ソフトをなんとかして売り込もうとしているIT業界が流している俗説に