「つい最近までSEが足りないと言っていたのが、夢だったのかと思う」。ある大手ITサービス会社の幹部がそう述べたという。ITサービス業界でも2009年3月期の決算が出そろったが、軒並み減収減益。同じITベンダーでもメーカーとは異なり、さすがに“草食系”だけのことはある。少なくとも大手では大幅な赤字転落は見られない。ただ、その裏で例のメカニズムが働いているのが容易に想像できる。 例のメカニズムというのは、これまでも何度か書いた“内製化”というやつだ。SIerなどのITサービス会社は、好況期にはビジネスにレバレッジを効かせる。外部、つまり下請け企業を利用することで、自社のリソース以上の仕事を獲得し売上拡大を図る。例えば仕事量の半分を外部に出せば、倍の仕事を受注でき売上は倍増する。レバレッジは2倍。誰にでも分かる計算だ。 ユーザー企業のIT投資は好況期に集中する。だから仕事はいくらでもある。自社の