TCO/ROIというモデルが叫ばれるようになってから、すでにかなりの年月が経つ。だがその考え方は、日本の経営者にきちんと理解されているのだろうか。TCOやROIの考え方はいまどのように構成され、顧客にどのようなサービスとして提供されているのか。そうした考え方は、日本企業の間で根付いているのか。そしてもし何らかの問題があるとすれば、それは今後どのように解消されていくのか。そうした点を検証していきたい。 ■ROI/TCOとは何か 企業全体のROIは、分子の利益は「経常利益+支払利息」、分母にあたる投資は「借入金+社債発行額+株主資本」で算出する。計算すると、通常の企業であれば10~20%程度になることが多い。そしてこの逆数をとれば、投下した資金をどの程度の期間で回収できるかがわかる。たとえばROIが20%だったら、逆数は5――つまり、5年で投資を回収できるという計算になるわけだ。だが情報システ
![TCO/ROIの真実(Computer World 2004年6月) - 佐々木俊尚 これまでの仕事](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/611f53ad27657f9f61a87ab3bb522ad79104f310/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fyellowdude.air-nifty.com%2F.shared-cocolog%2Fnifty_managed%2Fimages%2Fweb%2Fogp%2Fdefault.png)