圧倒的な戦力差だと思った。そしてJ2に降格したとはいえ、さすがに名門クラブだとも思った。少なくとも後半36分までは──。 J2リーグ第27節、ジュビロ磐田対カターレ富山。この時点で磐田はリーグ3位、対する富山は22位、すなわち最下位である。前半は相手の固い守備ブロックに沈黙を強いられた磐田だが、コンディション不調の松井大輔に替えてチンガを投入した後半は一気に攻撃が活性化した。後半3分、左サイドから小林祐希が放ったクロスに、前線の前田遼一がシュート。いったんは相手DFに阻まれるも、山崎亮平がすかさず頭で押し込んで先制点を挙げる。後半20分にはチンガの豪快なミドルシュートが決まり、さらに36分にはペク・ソンドンのラストパスを前田が右足でネットを揺らして3−0とする。 この時、ヤマハスタジアムのゴール裏は、明らかに楽観ムードにあふれていた。直近の5試合で1勝1分け3敗。気がつけば2位松本山雅FC