家具最大手のニトリは11月28日、大幅な「値下げ宣言」を表明した。30日から全店で867品を10~40%一斉に値下げする。とくに期間を定めず、継続的に実施していく予定。これだけ大規模な価格の引き下げは2010年10月以来、2年ぶりだ。 「消費や経済が下降線になっている。今は緊急事態だ」。28日に開催した記者会見の席で、似鳥昭雄社長は危機感をあらわにした。12年7~9月期の実質国内総生産(GDP)で、個人消費が前期比0.5%減となるなど、小売業界をめぐる環境は厳しい。「デフレの勝ち組」といわれるニトリもその影響を受けている。 顕著に表れているのが客数の推移だ。今年3~10月の8カ月で、既存店の客数が前年同月を上回ったのは3月と8月のみ。直近の10月は10.5%も減少した。「ニトリの魅力が薄れているということ。もっと安くしろと消費者が言っているのではないかと思った」(似鳥社長)。10月に西日本