流通経済大サッカー部から今春、13人ものプロ選手が誕生する。Jリーグ1部(J1)に5人、2部(J2)に6人、韓国Kリーグに2人という異例の人数だ。「複雑な気分ですね。うれしいけど、ここはプロの養成所ではないから」という笑顔は選手たちの“父親”の顔だ。関連記事上宮高野球部監督が部員に暴力 6月、…サッカー日本代表、豪州戦へ非公開練習…記事本文の続き 監督に就任したのは平成10年。法政大OBの学長から、「うちの学生はコンパに行っても大学名を言えない。サッカー部を日本一にして、誇れるものを築いてほしい」と誘われた。事実、それまでは「サッカー部」と呼べるようなものではなかった。ほとんどの部員が煙草を吸っていて、改造車を乗り回していた。「これでは強くなれない…」。練習どころではない現実に悩まされた。 まず、取りかかったのは、煙草を拾うことからだった。街で喫煙している部員の後を追い、吸い殻をひたすら拾