福島工業高等専門学校(いわき市)の学生たちが、水耕栽培による屋上緑化システムを開発した。雨で流出したり、乾くと風で飛び散ったりして屋上緑化の「足かせ」となっていた土を使わないのがミソで、7年がかりの成果。屋上菜園も手がけ、今年度は本格的な収穫にこぎつけた。 物質工学科の5年生が卒業研究として代々、取り組んできた。直径約15センチ、長さ約4メートルの塩化ビニール製の「親パイプ」に等間隔に穴を開け、そこへ直径5センチの塩ビ製パイプを加工したカップをはめた構造。植物が育つカップの底には穴があいており、根は親パイプの中へ伸びる。 「屋上では厄介者になる土を使わずに緑化できないか」というのが発想のきっかけ。水耕栽培は珍しい技術ではないが、強い風雨や日差しにさらされる屋上で確実に生育するよう工夫を重ねた。 肥料を溶かした水を循環式にして、一定時間ごとに専用タンクから親パイプに流し、タンクへ戻す。こうす