2020年1月に始まった日本での新型コロナウイルス感染流行。まもなく丸3年というこのコロナ禍は、現在を含め大きく8つの感染大流行期、すなわち「波」となって日本社会を襲い、人命や健康を損なわせ、生活や人々の意識を大きく変えた。それぞれの波を振り返り、当時騒がれたことの実相と今に残る課題を探ってみた。(文中敬称略、中沢佳子) 第4波 2021年4〜6月。全国の感染者数ピークは5月8日の7244人。感染力の強い変異株が急速に広がり、高齢者施設や大学などで集団感染が発生。重点措置の適用が取り沙汰された。4月5日に宮城、大阪、兵庫の3府県で初適用。12日には東京、京都、沖縄の3都府県に広げたが、感染拡大は止まらなかった。