アメリカとの対立を背景に、中国の英字メディアはアメリカの人権問題を盛んに報じている。中国メディアが強調するアメリカの「二枚舌」は、途上国で響きやすい内容を含んでいる。バイデン政権にとってアジア系ヘイトの取り締まりは、国内問題であると同時に外交問題でもある。 欧米で広がるアジア系へのヘイトクライムは、人権問題をめぐって欧米と対立する中国にとって格好の外交手段になっており、その宣伝戦の主戦場は欧米の二枚舌に直面してきた途上国である。 人権を語る中国メディア 中国の英字メディアはこのところ、欧米でのアジア系ヘイトのニュースにいそがしい。 【参考記事】日本人がヘイト被害にあうリスク--データにみる他のアジア系との比較 代表的な英字メディア、グローバル・タイムズは3月17日、その論説で「アジア系に対するヘイトにアメリカ社会はなぜ冷淡か」と問いかけ、アメリカに根深い白人至上主義の歴史を告発した。 中国