あなたは落合博満をどれだけ知っているだろうか? 先日、ぶらりと書店に行ったら、多くの落合本が並んでいた。栄光の三冠王時代から監督生活まで。ここで「あれっ渋ちんGM時代は?」なんてクールな突っ込みは野暮だろう。人は誰でも触れてほしくない過去がある。とにかく「史上最多3度の三冠王」や「監督8年間で4度優勝」の圧倒的実績に裏付けされたプライドは半端ない。 そんな数々の自著本の中で、落合は不遜なオレ流キャラを自ら演じて楽しんでいるようにすら思える。 例えば、1998年引退直後に出版された『野球人』(ベースボール・マガジン社)の中では、実績のない若手との4番争いを「私は小学生の算数の答案と大学院生の代数学の研究論文を比べて、どちらが優秀かと言っているような4番戦争に終止符を打つために意地になっただけである」なんて三冠王を舐めんなよ的に一刀両断。 全盛期の'85年に2度目の三冠王獲得も悲願の球界初の日