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放射線に関するjunradiのブックマーク (30)

  • 朝日新聞はいかに放射能デマを拡散してきたか

    朝日新聞の慰安婦デマは氷山の一角だ。彼らは戦時中からでたらめな報道を続け、戦後もその総括をしないで経営を続けてきた。特に最近、大きな悪影響を与えているのが「プロメテウスの罠」の放射能デマだ。2011年12月2日の記事は「我が子の鼻血、なぜ」というタイトルで、こう書いている。彼らのやり口がわかるように、長文で引用しよう(改行は省略)。 福島から遠く離れた東京でも、お母さんたちは判断材料がなく、迷いに迷っている。たとえば東京都町田市の主婦、有馬理恵(39)のケース。6歳になる男の子が原発事故後、様子がおかしい。 4カ月の間に鼻血が10回以上出た。30分近くも止まらず、シーツが真っ赤になった。心配になって7月、知人から聞いてさいたま市の医師の肥田舜太郎(94)に電話した。肥田とは、JR北浦和駅近くの喫茶店で会った。 「お母さん、落ち着いて」。席に着くと、まずそういわれた。肥田は、広島原爆でも同じ

    朝日新聞はいかに放射能デマを拡散してきたか
  • 放射能とタバコはどっちが危ないの?

    龍一さんが咽頭ガンでしばらく活動を休むそうです。彼はヘビースモーカーだったようですから、タバコが原因になった可能性もあります。もちろん断定はできません。ガンというのはいろいろな原因で起こるので、その原因は統計的にしかわからないのです。しかし国立がん研究センターの調査では、日でタバコを吸う男性がガンになる確率は64%も増えます。 では坂さんが「金より命」とか騒いでいた福島第一原発事故の放射能はどうでしょうか。国連の調査によれば「差し迫った健康リスクはない」、つまりこの事故でガンによる死亡率が増えることは考えられないとのことです。 ガンは確率的な現象ですから、絶対に増えないとはいえません。日人の半分はガンになるので、それがわずかに増える可能性もゼロとはいえないでしょう。しかしその率がタバコの64%より低いことはまちがいありません。つまり福島の被災者のみなさんがこれからガンになるリスク

    放射能とタバコはどっちが危ないの?
  • 「死の灰」って何?

    きょうは日の漁船「第五福竜丸」が、太平洋のビキニ環礁で水爆実験の「死の灰」を浴びた事件から60周年です。そのころはよい子のみなさんは影も形もなかったので知らないと思いますが、この事件では第五福竜丸に乗っていた無線長の久保山愛吉さんが「放射能で死んだ」と報じられ、世界的に有名な事件になりました。これをヒントにして、放射能の生み出した怪物「ゴジラ」が生まれました。 「死の灰」というのは、核実験で放射能の高いチリが空気にまじって降ってきたものです。久保山さんがそれを浴びたのは事実ですが、死因が放射能と断定されたわけではありません。その後も放射線医学総合研究所がずっと追跡調査を続けましたが、第五福竜丸の船員のうち、2005年までに死んだ人は12人で、肝ガン6人、肝硬変2人、肝線維症1人、大腸ガン1人、心不全1人、交通事故1人。いずれも放射能とは関係ありません。 久保山さんも肝機能障害で亡くなって

    「死の灰」って何?
  • 「汚染水」って何?

    福島第一原発から出る汚染水が大きな問題になっています。安倍首相は「汚染水はコントロールされている」と宣言し、政府は470億円かけて汚染水を外洋に出さないための巨大な壁をつくる計画です。これは汚水とは違うんでしょうか? 工場からの汚水は、日中でたくさん出ています。たとえば経口毒性(飲んだときの毒性)がプルトニウムより強い水銀は、東京湾では最大800ppb(0.00008%)出ていて、上の図のように水域のほとんどが250ppb以上です。これは水銀の水質基準(0.0005%)を下回っていますが、全国では1年に合計22トン(3万8000人分の致死量)以上が排出されています。 いま福島県の沖合30kmで観測されている放射性物質の濃度は、海洋生物環境研究所の日下部正志さんの調べでは、最近は図のように0.1ベクレル/リットルと飲料水の水質基準(10ベクレル)をはるかに下回っています。だからそのまま飲ん

    「汚染水」って何?
  • 「原発関連死」の原因をつくった人々 : 池田信夫 blog

    2013年09月12日00:27 カテゴリメディア 「原発関連死」の原因をつくった人々 島薗進氏のツイートが、多くの人々の批判を呼んでいる。「原発関連死 さらに121人」東京新聞9/11。これはこの半年の人数で総計は910人。実数はだいぶ多いはずと。http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013091190071146.html … 放射線の健康影響でなくて「不安」という心理こそが最大の問題という重松逸造、長瀧重信氏、山下俊一氏らの立場ではどう説明する?彼は原発関連死の原因が「放射線の健康影響」だといいたいのだろうが、低線量被曝によって発癌するまでには平均25年、最低でも5年かかる。いま死亡したということは、放射線が原因ではないという証拠なのだ。 島薗氏は宗教学者だから、放射線医学に無知なのはしょうがないが、専門外の問題についてこれまでにも「ICRPの基準

    「原発関連死」の原因をつくった人々 : 池田信夫 blog
  • 意外と知られていない10の放射線を帯びたモノ・場所 : カラパイア

    まずは放射能と放射線と放射性物質の違いに関してなのだが、放射線は物質を透過する力を持った光線に似たもので、アルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線、中性子線などがある。その放射線を出す能力を「放射能」といい、この能力をもった物質のことを「放射性物質」と呼ぶのだそうだ。 このことを懐中電灯に例えると、光が放射線、懐中電灯が放射性物質、光を出す能力が放射能にあたる。放射能、放射線というと、原子力発電所や核燃料といったものがまっさきに思い浮かぶ人も多いかと思うが、自然界にはもともと、人間の活動がなくても存在している自然放射線があり、多かれ少なかれ我々はその影響を受けている。また、意外と知られてないものに、微量ながらも放射線を放つ物質(放射性物質)が存在する。

    意外と知られていない10の放射線を帯びたモノ・場所 : カラパイア
  • 除染という「偽薬」は自己負担で

    放射線についての過剰報道は止まらない。ワイドショーはきのう柏市で見つかった毎時57.5μSvで盛り上がったようだ。単純に計算すると年間503mSvだが、それは問題の空き地にずっと住み続けた場合だ。現実的なリスクは放射線量×時間で決まるので、子供が毎週1時間この空き地で遊んだとしても年間3mSv。しかもこの57.5μSvはピーク値で、周辺では毎時0.5μSv程度だという。 問題はこのように局地的な「ホットスポット」ではなく、持続的に受ける累積線量だが、文科省の航空機モニタリングによれば、柏の線量は図(クリックで拡大)のように毎時0.2~0.5μSv。この平均値0.35μSvを毎日受けるとしても年間3mSvで、自然放射線量の世界平均(2.4mSv)ぐらいだ。 柏市は全域で放射線の測定と除染を行なうそうだが、測定はともかく除染は自治体がアドホックに行なうべきではない。過剰な除染の前例ができると「

    除染という「偽薬」は自己負担で
  • 微量放射線はタバコの煙 : 池田信夫 blog

    2011年10月24日23:25 カテゴリエネルギー 微量放射線はタバコの煙 きょうグロービスで、中川恵一氏の話を聞いた。講演の内容は、ごくオーソドックスな放射線医学の解説だったが、ちょっと考えさせられたのはフロアからの質問だ。 「きょうの話は癌ばかりでしたが、放射能には癌以外の問題はないのですか?」 「放射線による障害は遺伝しないのですか?」 「魚は危なくないのですか?ベビーフードはどうですか?赤ちゃんは大丈夫ですか?」 中川氏も当惑していたが、「放射能」という特別に危険な毒物があると思い込んでいる人が、まだ多いようだ。いうまでもないことだが、放射線そのものは毒物でも凶器でもない。原爆でできたケロイドは熱によるもので、放射線は関係ない。以前の記事でも書いたように、100mSvの被曝による発癌リスクの増加は、受動喫煙と同じぐらいだ。したがって100mSv以下の放射線はタバコの煙のようなもの

    微量放射線はタバコの煙 : 池田信夫 blog
  • 犯人を間違えた推理小説 - 『国策民営の罠』

    国策民営の罠―原子力政策に秘められた戦い 著者:竹森 俊平 販売元:日経済新聞出版社 (2011-10-21) 販売元:Amazon.co.jp ★☆☆☆☆ 世の中には、根的な勘違いにもとづいて1冊のが書かれることがたまにある。たとえば高橋伸夫『虚妄の成果主義』や菊澤研宗『組織の不条理』などがその例だが、書は経済学界の売れっ子、竹森俊平氏の大失敗作である。 書のテーマは「原発事故の処理はなぜこんなに迷走しているのか」という問題で、それを推理小説仕立てで追究し、最後にその犯人を見つけるというストーリーになっているが、気の毒なことにその犯人が間違っているのだ。 推理小説の犯人をいうのはルール違反だが、書の名指す犯人は間違っているので書いてもいいだろう。それは「原賠法ができたとき大蔵省(水田蔵相)が問題を意図的に曖昧にしたため、政府の責任が不明確になり、東電が破綻しているのかしていな

    犯人を間違えた推理小説 - 『国策民営の罠』
  • 原子力の悲劇 : 池田信夫 blog

    2011年10月15日16:12 カテゴリエネルギー 原子力の悲劇 核エネルギーは、疑いもなく20世紀の科学の最大の発見である。物理学によって生み出された巨大なエネルギーは、世界の歴史を大きく変えたが、それは原爆という巨大な破壊力としてデビューしたため、「悪魔」のスティグマを負うことになった。書は、その歴史を描く読み物である。 1940年代までの原子力の歴史は、物理学の輝かしい勝利だった。アインシュタインが1905年の論文で発見したE=mc2という1の方程式で理論的に予想された莫大なエネルギーは、30年代に実験で確かめられた。それを爆弾として実現する技術がフォン・ノイマンなどによって開発され、10年足らずで爆弾が広島と長崎に落とされた。 しかし、その結果として起こった悲劇の大きさにアインシュタインは衝撃を受け、平和運動に身を投じた。フォン・ノイマンは核開発の過程で被曝した放射線が原因

    原子力の悲劇 : 池田信夫 blog
  • 武田邦彦氏の哀しいウソ : 池田信夫 blog

    2011年10月14日20:12 カテゴリエネルギー 武田邦彦氏の哀しいウソ ちょっとむずかしい話が続いたので、息抜きにきのうの世田谷の放射能騒動を取り上げよう。武田邦彦氏は、13日8時40分のブログ記事でこう書いた:哀しい事実と、国や自治体のウソがまだ続いています。[・・・] 世田谷で1時間あたり2.7ミリシーベルトが観測されましたが、道路の脇の藪の傍で、当然、死の灰の性質からいって予想されることです。毒物が飛散した場合、「どこに毒物があるか」というスタンスで毒物の多いところを探して、そこを警戒するのに、「できるだけ事故を小さく見せたい」ということで公園の真ん中など意味のないところを測定していたのです。ところが現在(14日19時30分)では大幅に訂正されているので、差分を取ってみた:哀しい事実と、国や自治体のウソがまだ続いています。[・・・] 世田谷で1時間あたり2.7ミリシーベルトが観

    武田邦彦氏の哀しいウソ : 池田信夫 blog
  • たばこの放射性物質について(米政府の解説)

    この御方は、こないだ「たばこ会社が絶対客に知られたくない真実... 煙草には放射性物質が入っている」で紹介したUCLA医学部Hrayr Karagueuzia教授。米たばこ業界が放射性物質のことを半世紀以上隠蔽していた事実を先月公表した人ですよ。 あの記事には、こんなコメントが沢山寄せられましたよね。 「既出。こんなの昔から知ってる」 「少量。この程度で騒いでたらキリない」 「肥料起源。たばこに限った話じゃない」 まあでも「わしゃそんな気休めで安心できないぞ、なんか信頼できる筋の詳しい情報はないの?」という方もいると思うので、米国環境保護庁(US Environmental Protection Agency、日の環境省に相当)がサイトに出している解説を訳しておきますね。 たばこの煙 たばこの煙は被曝のもとには見えないが、あの煙には放射性物質が少量含まれており、吸うとそれが肺に入ります。

    たばこの放射性物質について(米政府の解説)
  • 原子力への偏見と発見 : 池田信夫 blog

    2011年10月09日15:59 カテゴリエネルギー 原子力への偏見と発見 朝日新聞は「原発と原爆は同じだ」という非科学的なキャンペーンを執拗に続けている。人々の恐怖に迎合して新聞を売る彼らのやり方は、戦時中の報道と同じように歴史の裁きを受けるだろう。書は、そういう偏見から出発して原子力について調べた作家の旅の記録であり、スチュワート・ブランドも推奨するように、この問題への入門書としても最適だ。 著者は――芸術家によくあるように――かつては原子力に反対だったが、友人の科学者との会話の中で「石炭火力のほうが原子力より危険だ」という話を聞いて、多くの科学者へのインタビューを始める。そこで彼女が発見したのは、次のような事実だった:広島・長崎の被爆者は大量の放射線を浴びたと思われているが、生存者はそれほど大量に被曝していない。致死量の放射線を浴びた人は爆発によって死亡したので、被爆者の40%以

    原子力への偏見と発見 : 池田信夫 blog
  • 中島聡氏の「空気」論法 : 池田信夫 blog

    2011年10月08日11:50 カテゴリエネルギーテクニカル 中島聡氏の「空気」論法 先日の武田邦彦氏についての記事には、意外に大きな反応があった。彼の話がでたらめであることは多くの専門家が指摘していることだが、中島聡氏などはまだそれを信じているらしい。私のブログに対する実名の批判は珍しいので、お答えしておこう(細かい話なので、興味のない人は無視してください)。 「広島・長崎の被爆者のデータに関しては、米国が軍事秘密扱いしたこともあり、正確なデータがすべて公開されているとは言いがたい」というのは間違いである。米軍が報道を検閲したのは核爆発による被害であり、被爆者についてのデータは、放射線防護のために詳細に調査され、公開されている。被爆者手帳で長期にわたって追跡されたので、これは質量ともに最高の疫学データである。それが不十分だというなら、世界中に十分な疫学データは存在しない。 中島氏が紹介

    中島聡氏の「空気」論法 : 池田信夫 blog
  • 武田邦彦氏の売り歩く放射能デマ : 池田信夫 blog

    2011年10月05日19:49 カテゴリエネルギー 武田邦彦氏の売り歩く放射能デマ 原発事故で流された大量のデマには二種類ある。一つは小出裕章氏のように、自分の専門領域(原子炉工学)については正確だが、専門外の分野(放射線医学)については間違っている話、もう一つは宮台真司氏や自称ジャーナリストのように、どっちの専門家でもない人々のでたらめな話だ。 後者は論評の価値もないので放置していたが、理科系の大学教授(一見すると専門家に見える)の肩書きででたらめな話をしている武田邦彦氏は、あまりにもひどいので放置できない。彼の放射能デマの白眉は、この3月14日の記事だろう:現在の状態で「原子炉が爆発する」可能性は3つある。 1) 水素爆発: 露出した燃料に水が接触して水素を発生し、炉の外にでて酸素と結合して爆発する(化学反応)、 2) 水蒸気爆発:高温の物体に水が接して急速に水蒸気になり、その体積膨

    武田邦彦氏の売り歩く放射能デマ : 池田信夫 blog
  • 除染はどこまで必要なのか

    福島原発事故の除染が、現実的な課題になってきた。細野原発担当相は、年間5mSv以下の地域は国が財政支援しないという環境省の方針に自治体が反発したことに対して「1~5mSvの地域も当然含まれる」と軌道修正したが、これによって除染の必要な範囲はどうなるだろうか。文科省の航空機モニタリングによる空間線量マップ(8月28日現在)で見てみた(クリックで拡大)。 年間5mSv(毎時0.57μSv)だと図の「0.5-1.0」と書かれた青緑の範囲の内側、年間1mSv(毎時0.11μSv)だと図の紫の部分をを除いた福島県全域が対象になる。ニューズウィークでも書いたように、カドミウム除染の単価(約5億円/ha)を適用すると、前者でも福島県の面積の17.5%で費用は118兆円になるが、後者だと福島県外にも大きく広がるので、1000兆円を超えるだろう。 つまり年間5mSv以上の除染は財政的に不可能であり、1mSv

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  • 放射能というケガレ : 池田信夫 blog

    2011年10月01日21:00 カテゴリエネルギー 放射能というケガレ さっきの記事の続き。山七平の日人論は彼の宗教論とからんでおり、学問的には疑問もあるが、最近の反原発ヒステリーを分析するには適している。 彼が日人の特徴として指摘するのは、物神崇拝の傾向である。キリスト教では、神は現実の世界から隔絶した超越的な存在だが、日では霊魂は物質に「臨在」するとされる。それは生きている人間だけではなく、「御神体」や「三種の神器」のような物体にも宿る。「空気」はこのように物体に臨在する力である。 こうした伝統は現代にも残っており、公害をもたらす「悪い物質」とみなされると、安全基準を無視して徹底的に排除される。ごく少量のダイオキシンを除去するために全国のゴミ焼却炉が1兆円かけて廃棄され、健康被害があるのかどうかもわからないカドミウムを除染するために8000億円も費やされる。その費用対効果は問

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  • 微量放射線は健康にいい? : 池田信夫 blog

    2011年09月30日18:02 カテゴリエネルギー 微量放射線は健康にいい? このごろ私のところに、書のような放射線医学のがたくさん贈られてくる。エネルギー問題のシンクタンクをつくるという話についても、多くの研究者から協力の申し出があった。その全員が「今の日の異常な空気では、まず科学的な事実をきちんと知らせることが必要だ」という。私はもちろん放射線医学の専門家ではないが、専門家は「隠れキリシタン」状態になっているようなので、彼らに代わって基的な事実を確認しておく。 書は中立な立場の放射線医学の専門家が書いた一般向けのガイドブックで、福島事故のデータも含めて放射線の影響を多くの図でやさしく説明している。放射線のリスクと他のリスクを年間被曝量で比較すると、次のようになる(括弧内の数字は発癌倍率):1000~2000mSv(1.8):喫煙・飲酒(毎日3合以上) 200~500mSv

    微量放射線は健康にいい? : 池田信夫 blog
  • 放射線の安全基準は経済問題である

    エネルギー問題は非常に複雑で、全体像を理解している人はほとんどいません。似たような問題でも情報通信は、問題がモジュール化されて論理的に整理されているので、経済学の研究者がソフトウェアのコーディングを知っている必要はないが、エネルギー問題では工学や医学と経済問題や政治問題がからみあっており、ある分野のテクニカルな問題が別の分野に影響することが多い。 その最大の問題が、原発の安全基準です。放射線がどれぐらい健康に影響を及ぼすかは、原発のリスクも経済性も決める根問題です。「原発を全廃すべきだ」という反原発派の主張は「放射線はどんな微量でも危険だ」というLNT仮説に依存しており、これが否定されると彼らの論拠はすべて崩れます。ところが何度も説明したように、この仮説は、学問的にはきわめて疑わしいのです。 これは原発の経済性を考える上でも重要です。「原子力の発電単価は火力より高い」という大島堅一氏の計

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  • 「東京ドーム23杯分」の除染は本当に必要なのか

    環境省は、福島第一原発事故で放射性物質に汚染された土壌を除去する作業の試算結果を検討会で示した。福島など5県で追加的な被曝線量が年間5ミリシーベルト以上の地域を除染する場合、必要な面積は最大で2419平方キロメートル、福島県の17.5%に当たる。表土を5センチメートルはぎ取るとすると、除去する土壌の量は最大で2879万立方メートル、東京ドーム23杯分に相当する。 しかし、この計画は財政的に実現不可能だ。1979年から行なわれているカドミウムの除染は1630ヘクタールで8000億円かかったが、今回の除染面積はその148倍だから、118兆円以上かかる。年間5ミリシーベルトという基準は、何を根拠にしているのかよくわからないが、国の年間放射線量限度は、緊急時には20~100ミリシーベルト、平時には1ミリシーベルトである。これはICRP(国際放射線防護委員会)が1958年に決めた基準に準拠しているが

    「東京ドーム23杯分」の除染は本当に必要なのか