「行きたくねえな、インド」 テキサス出身の友人と夕食を食べていた。ステーキを切りながら彼はぼやく。 「マジで行きたくねえわ」 半月後、彼はインドに出張する予定だそうだ。私は首をかしげる。 「どうして? 私は行ってみたいよ、インド。英語も通じるらしいし」 「まさか」彼は鼻にしわを寄せる。「インド人の英語(Inglish)は何を言っているのか分からない、訛りが強すぎるんだよ。大学生のころ、数学の講師がインド人だった。けれど理解できるのは板書された数式だけで、喋っていることは何一つ聞き取れなかった」 「そんな英語力でもアメリカの大学講師が務まるの?」 「講師と言っても、ただのTAだからね。半分、留学生みたいなものだ。さすがに大学当局に文句を言ったよ、あの授業はひどすぎますって」 「そしたら?」 「翌週からは中国人のTAが教えにきた。やたらとテンションの高い先生だった」 「英語は?」 「完璧すぎて
「初音ミクが分からない人」がいる。テレビに映った彼女を指さして「あんなののどこがいいんだ」と言い、100万回再生されたボカロ曲も(当然)知らない。しかし現在、日本のポップカルチャーは世界中で注目を集め、欧米はもとより、シンガポールやタイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどでもイベントが開催されるほど熱気を帯びている。にもかかわらず、それらの良さが理解できない人がいる。気持ち悪いと吐き捨てる人がいる。彼らには、どうして分からないのだろう。 アニソンの神様 (このライトノベルがすごい! 文庫) 作者: 大泉貴,のん出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2012/09/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 158回この商品を含むブログ (40件) を見る 忘れがちだが、人類の歴史はまだ始まったばかりだ。 ホモ=サピエンスの誕生は今から20万年ほど前だ。7万年前のトバ・カタストロフで世界
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