私はゲーム業界のアナリストとして『ファミ通ゲーム白書』といった業界向けのレポートに関わっている。日本の家庭用ゲーム市場を分析する際、「市場は毎年縮小しているが、しかし…」と枕詞を置き、モバイルゲーム、VRゲームといった周辺に触れる。我々が紙面やWEBで紹介している日本の家庭用ゲームは競争力を失いつつあるという”タブー”をぐっと飲み込み、ポジティブな面にだけ光を当て、記事を書く。 1990年代に技術力で世界中を驚かせていた日本のゲームデベロッパーは2000年以降、欧米のゲームデベロッパーに遅れをとってきた。極限までにリアリティとクオリティを求める欧米デベロッパーのゲームを横目で見ながら、日本のゲームデベロッパーはストーリー、キャラクターの魅力といった”周辺”領域のブラッシュアップを図り、縮小する家庭用ゲーム市場を生き延びてきた。 欧米デベロッパーが作り出した優位性の根源はゲームエンジン、そし
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