OBがソニーにモノ申す、という長期連載が以前、著名ウェブサイトで展開されていました。アクセスをたくさん集めて人気を博していたようでしたが、とても見られたものではありませんでした。“ソニーらしさ”とは、いったい何なのか。この人たちの言うとおりにやったら、ソニーはつぶれていたと思いました。 しかし、日本の大企業の多くが、これをリアルにやられている、というのが実情でしょう。 日本企業は、相変わらずの共同体幻想の中に生きています。ムラ社会の調和、ムラ社会で適用しているルール、あるいはその空気に同調する圧力、精神的な依存……。これが、経営にも大きな影響を与える。実際、ムラ社会の社長が恐れるのは、波風が立ってしまうことです。社内闘争が起きること、社内の和が乱れることを恐れる。 共同体の中に調和が存在することが、すべてに優先してしまう。だから、経営判断や経営行動の意思決定には、共同体の和を壊さないという