半導体大手エルピーダメモリへの国の金融支援策に絡み、インサイダー取引をした疑いがあるとして、金融商品取引法違反容疑で証券取引等監視委員会の強制調査を受けた経済産業省資源エネルギー庁前次長(52)が「妻が勝手に取引しただけで自分は知らない」と容疑を否認していることが8日、市場関係者への取材で分かった。 市場関係者によると、証取委の調査に前次長は「エルピーダの株を取引した時点で既に新聞では資本増強が報道されていた」と説明。妻名義の口座ではエルピーダ社株の取引が複数回繰り返されており、証取委は妻の関与の有無や取引時期について慎重に調べている。 エルピーダ社をめぐっては、09年1月以降、台湾のメーカーとの提携交渉が進んでいることや公的資金を活用した資本増強制度の適用を検討していることが一部で報じられていた。