2月21日、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の第3回「市民ダイアログ」が行われた。20代前半の学生と、法律や関連業界の専門家が集まって行われたこのディスカッションは、自動運転の効用や課題について若い市民が自分ごととして考える下地を作った、価値のあるイベントだった。 しかし、三点気になったことがある。ダイアログで扱われた重要な論点を紹介しながら、懸念点を整理したい。 法的な責任と道義的な責任 一つは、今回のテーマである「責任」の問題についてだ。3回目の「市民ダイアログ」である今回は、「ドライバーの権利と責任」がテーマとなっており、法政大学法学部の今井猛嘉教授が基調講演を行い、学生や関連業界の専門家も「責任」をテーマに多くの意見を出していた。(行政やメーカーの責任、プログラムアップデートをユーザーが怠った場合の責任、販売店の説明不足やCMのキャッチフレーズが誤解を生
「メルケル帝国」に青天の霹靂 今年の9月にドイツでは連邦議会の総選挙がある。CDU(キリスト教民主同盟)のメルケル首相が4期目の出馬を決めたのが去年の11月。 かつてはCDUとSPD(ドイツ社民党)は二大国民政党と言われ、戦後、交互に政権を取ってきたが、このところSPDの没落が激しく、ようやく20%そこそこの支持を保っているという状態が続いていた。党首は、これまた人気のないガブリエル氏。 また、右派の 新党AfD(ドイツのための選択肢)の台頭はしばしば話題になるものの、連立する政党がいないだろうから、いくら票を伸ばしても与党になる可能性はない。そういう意味では、AfDはフランスのル・ペン氏率いる「国民戦線」とは違う。 というわけで、結局、今度もまたメルケル氏のCDUが勝ち、第2党SPDとの大連立が続くだろう、というのが大方の予想。通算16年、永遠の「メルケル帝国」である。 うんざりな現実だ
取材力のなさを明かしているようなもの 経済産業省が2月28日から庁舎内の執務室に鍵をかけた。これに対して、一部のマスコミや識者は「情報公開に逆行する」などと批判している。いまどき何を言っているのか。こんな調子だから、記者が世間からバカにされるのだ。 役所の事情に詳しくない読者に説明すると、経産省はこれまで大臣室などを除いて、各課執務室への記者の立ち入りが基本的に自由だった。そもそも記者たちは国会が発行する記者パスさえ持っていれば、庁舎にノーチェックで入れる。 一般人は庁舎の玄関で出入りをチェックされているから、これは記者の特権である。それに加えて、記者は各課への出入りも自由だったのだ。一般人が各課を訪問しようと思えば、最初の玄関で申請しなければならない。 新聞やテレビの記者には「記者クラブ」の部屋も用意されていて、経産省担当の記者たちは毎日、そこに出勤する。記者たちはクラブの隣にある会見室
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