ブックマーク / molice.hatenadiary.org (10)

  • 日本クトゥルー神学の黎明 - 墨東ブログ

    ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』にはH・P・ラヴクラフトとC・A・スミスの書簡に基づく、クトゥルー神話の神々の系図を掲載しました。青心社の『クトゥルー』シリーズにも掲載されていますが、従来訳では「悪鬼のヨガシュ」と書かれていたところを「〈屍鬼〉ヨガシュ」に改めるなど、翻訳自体は最新のものです。 この他にもう一点、リン・カーターの諸作品で示されている設定をソースに、独自に描き起こした神々の系図を掲載しています。カーターといえば、彼が1957年にファンジンに寄稿した「クトゥルー神話の神神」が日でも定番的資料として長年重宝されてきました。 しかしながら、彼はその後数十年にわたってクトゥルー神話設定の補完・整理・体系化を続けていて、70年代以降の作品に見られる諸々の設定は「神神」と全く違うものになっていたりします。 いくつか例をあげれば、〈ユゴスよりの菌類〉がハスターに従属していた

    日本クトゥルー神学の黎明 - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2013/11/08
    『ラヴクラフト、スミス、カーターのものとも更に異なるクトゥルー神話の神々の系図が存在します』 『風見潤「クトゥルー・オペラ」シリーズの第1巻に掲載されている系図』
  • 「神話検定」を歓迎する理由 - 墨東ブログ

    既にトークイベントやTwitterなどであれこれ言及しております、まさかの「第1回 クトゥルフ神話検定」の受付が始まっています。試験日は12月1日。3級、2級と初級・中級の試験がありまして、併願も可能とか。 第1回 クトゥルフ神話検定 http://www.kentei-uketsuke.com/cthulhu/introduction.html 企画・運営は日販(日出版販売株式会社)さん。日販さんはこれまでにサブカル系の検定試験を数多く行ってきたようで、ここ最近のあれこれの動向から「クトゥルー神話の検定もそろそろ……」というお話になった模様です。そこで、拙著『図解 クトゥルフ神話』など、何冊かの関連書を刊行している新紀元社さんに協力依頼が飛び、朱鷺田祐介氏が監修・出題を、『ナイトランド』編集部が公式テキスト制作を−−という流れになったと聞いています。 申し込みページでは3級・2級の練習

    「神話検定」を歓迎する理由 - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2013/08/12
    『基礎知識の底上げ。この機会に、「ラヴクラフトは引きこもりだった」「クトゥルー神話って言い出したのはダーレスで、ラヴクラフトは無関係」だのの黴臭い言説が風化してくれるのではないかという期待感』
  • 2012年におけるクトゥルー神話ブームについての所感 - 墨東ブログ

    フリーペーパーR25のweb媒体である「web R25」さんに、「クトゥルフ神話ブーム」についてコメントを求められました。記事の方はこちらにあがっていますが、実際に回答した内容を見てみたいというリクエストがありましたので、転載してみます。(質問文については適宜いじりました) 質問1:「クトゥルフ神話」とは何か? クトゥルー神話とは、20世紀前半にアメリカで刊行されていた『ウィアード・テールズ』などのパルプ・マガジン(粗悪なパルプ紙を用いた安価な読み物雑誌)で活躍した作家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトを中心とする一群の作家達が、自分達が創造した太古の神々や魔導書などの固有名詞を互いの作品で共有していくという楽屋落ち的なお遊びを通し、意図せずして作りあげた架空の神話体系です。 複数の作家が同じ世界観を共有する創作スタイルを「シェアード・ワールド」と呼びますが、クトゥルー神話の場合は必ず

    2012年におけるクトゥルー神話ブームについての所感 - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2012/05/26
    『ここまでやってもいいのか」という安心感を受け手よりもむしろ作り手側に与えた』 『卓ゲM@Ster」で最も人気を集めたのが、前述のTRPG『クトゥルフ神話TRPG』 『クトゥルー神話≠コズミック・ホラー」である』
  • [お仕事] 『ゲームシナリオのためのSF事典』(ソフトバンククリエイティブ) - 墨東ブログ

    まず最初に、質問させていただきます。SF って、何でしょう? 僕の考えでは、この設問について全ての人間を納得させうる回答は存在しません。 「サイエンス・フィクション」そのものが、「空想(フィクション)・科学(サイエン ス)」「科学(サイエンス)・小説(フィクション)」という二重の意味をもちます。 では、共通項「科学」に着目すれば良いかというと、決してそうではありません。 −−『ゲームシナリオのためのSF事典』まえがきより抜粋 ソフトバンククリエイティブでの久々のお仕事は、『ゲームシナリオのためのSF事典』です。山北篤さんの『ゲームシナリオのためのファンタジー事典』に続くシリーズ2冊目ということになりますね。 このシリーズは、コンシューマゲームのシナリオライター志望者のための手引書です。「事典」というよりも「アンチョコ集」に近いですね。 ガチなSF作品というよりも、SFに余り親しんでいない人

    [お仕事] 『ゲームシナリオのためのSF事典』(ソフトバンククリエイティブ) - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2011/03/25
    『SFに余り親しんでいない人間が「SFテイスト」の作品を手がけるにあたって抑えておいた方が良い、あるいは知っていると便利な事項、発想法を110項目に凝縮したもの』 その観点から、第2章に巨大建造物を置いている
  • 旧支配者? 古のもの? - 墨東ブログ

    『うちのメイドは不定形』で、「前の御主人」について「グレート・オールド・ワン」のルビを振ったことについて、若干の混乱が起きてる様子。ご自分で調べていただきたいところではありますが、過去原稿を流用しつつ軽く触れておきましょう。 ラヴクラフト作品における"Great Old One"の初出は「クトゥルーの呼び声」(1926年)。文庫版全集では「大いなる古き神々」の訳語が与えられています。大いなるクトゥルーは"Great Old One"の大祭司とされています。地球上の信者たちはクトゥルーの似姿を彫像で知っていても、神々がどのような姿をしているのかは知らないとされつつ、その少し先には"Great Old One"はクトゥルーの眷属なのだと読みとれなくもない記述があります。(『エンサイクロペディア・クトゥルフ』のダニエル・ハームズ氏はこの見解を採っているようです)。 続いて、「ダンウィッチの怪」。

    旧支配者? 古のもの? - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2011/03/16
    『「前の御主人」について「グレート・オールド・ワン」のルビを振った』 『ちょっとした記述のひとつひとつについて何かしら思惑が仕込まれているものとご判断いただいて結構』 『深読み大歓迎』
  • 「クトゥルー神話」の由来について - 墨東ブログ

    あれこれ作業が立て込んでいて、日記を書く時間がなかなかとれませんが、大至急報告しておきたいことがありましたので取り急ぎ更新します。 今回新たに確認された事実によって、過去、森瀬繚の携わったクトゥルー神話関連書における記述が更新されることになりますので、まずはこちらで告知致します。 書の執筆にあたって多大なる御協力をいただいているクトゥルフ神話研究家の竹岡啓氏の指摘するところによれば、「クトゥルフ神話」という言葉が最初に確認されているのは、ラヴクラフトの盟友クラーク・アシュトン・スミスが、オーガスト・ダーレスに宛てて書き送った1937年4月13日付の書簡の中で、ラヴクラフトの作品群の総称として"the Cthulhu mythology"という文言が用いられているという。 この書簡の存在は、少なくともそれ以前から、スミスやダーレスなどのラヴクラフト・スクール関係者の間で「クトゥルフ神話」と

    「クトゥルー神話」の由来について - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2011/02/06
    『"H.P.Lovecraft Collected Essays Volume 5: Philosophy"を取り寄せてみた』 『ラヴクラフトもまた1930年代初頭の時点で、「クトゥルー神話」に近い言葉を用いて自らの作品群の一部をカテゴライズしていた』
  • 読者への回答、あるいは新たな探求 - 墨東ブログ

    「それは、何だかわかりますか?」 昨日の日記でこのように出題していたわけですが、今のところブログ、Twitterともに回答なし。ちょっとしょんぼりしつつ、お約束通り「僕なりの考え」を開示します。 そもそも、「ラブクラフトの〈クトゥルー神話〉ですね」という発言しかないのに、ここから何を読みとれるというのだろう……石森章太郎作品にクトゥルーネタが紛れ込んでいて、その頃に永井氏がアシスタントをやっていたとかそういうことか……? これは、メッセンジャーでやり取りしていた友人のコメントですが、実はこの短い発言こそが最重要の手がかりなのです。 即ち−−。 永井豪氏は、1979年夏の時点で"Cthulhu"を「クトゥルー」と発音、表記している。 今日、「クトゥルフ」というのはTRPG発祥のゲーム文化圏に特有の読みで、原作小説から入った人間は「クトゥルー」「ク・リトル・リトル」と読む人間が多いように感じて

    読者への回答、あるいは新たな探求 - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2011/01/21
    『1979年夏以前に「クトゥルー神話」の表記を使用し、なおかつ「複数の作家たちによる共通の世界観」であることについて解説されている関連書は、今のところ上に掲げた3冊の雑誌に絞り込まれる』
  • 東海岸のモンスター - 墨東ブログ

    稿は、コミックマーケット78にて刊行した森瀬の個人サークル誌『夏冬至点』2010年夏号掲載コラムの再掲です。来、PHP研究所のコミック『インスマウスの影』に寄稿した解説文に含める予定だったものの、ページ数の都合で割愛したテーマを扱ったものとなります。) H・P・ラヴクラフトが「インスマスを覆う影」を執筆するにあたり、マサチューセッツ州北東沿岸に存在する大西洋に面した海辺の町、ニューベリーポートとグロスターをモチーフにしたことはよく知られている。「インスマスを覆う影」の舞台となるインスマスについて作中で書かれてた通り、かつて造船業で賑わったニューベリーポートは、ラヴクラフトが2度目にこの町を訪れた1931年の秋頃には廃業した工場の立ち並ぶ寂れた町となっていたようだ。 ニューベリーポートからラヴクラフトの住むロードアイランド州のプロヴィデンスまでは、電車と車で数時間ほどの、ごく近い距離で

    東海岸のモンスター - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2010/11/16
    『ニューイングランド地方の大海蛇伝説(前篇)』 『本稿は、コミックマーケット78にて刊行した森瀬の個人サークル誌『夏冬至点』2010年夏号掲載コラムの再掲』
  • 『S-Fマガジン』クトゥルー神話特集について - 墨東ブログ

    先日、『S-Fマガジン』クトゥルー神話特集の中村融氏による特集解説について、Twitter上で数点のツッコミを行っていたのをご覧になられた方もいたかと思います。 別途、SFM編集部に指摘事項として送付しておりましたところ、S編集長よりご連絡いただきまして、中村氏にもご確認いただけたということで今月号の投書欄「てれぽーと」に掲載される運びとなりました。 これで、これまでは出版社内にとどまっていた「クトゥルー神話業界のクレーマー、森瀬繚」の存在が明るみにッ……などと、既に各社で噂になってたらどうしよう。

    『S-Fマガジン』クトゥルー神話特集について - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2010/04/09
    『これまでは出版社内にとどまっていた「クトゥルー神話業界のクレーマー、森瀬繚」の存在が明るみにッ』 どんどんやってください。
  • 他者のまなざしの中に存在する「幻想のケルト人」 - 墨東ブログ

    ソフトバンク文庫の『「ケルト神話」がわかる』が日、店頭に並ぶ予定になっている。 こんなを出しておいて、今更何を言い出すのかという話もあるけれど、発売日ということでやはり書いておくことにしよう。書の中でも幾度か繰り返した覚えがあるが、ケルト神話というのは大変に微妙な題材だ。理由は幾つもあるけれど、その中でも特に大きなものが、「いわゆるケルト神話」というのは、キリスト教伝来以前のアイルランドに口承で伝わっていた神話を、アイルランドで伝道を行っていた修道僧たちが書き留めたものであるという、その出自である。 複数の部族が次々とアイルランドに入植、侵略してきたという筋立てから「来寇神話」などと呼ばれるアイルランドの神話は、修道僧たちに記録された時点でキリスト教化されており(何しろ、原典とも言える『侵略の書』にしてからが、キリスト教の神による天地創造と堕天使ルシフェルの反乱、そしてノアの時代の大

    他者のまなざしの中に存在する「幻想のケルト人」 - 墨東ブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/09/19
     『だってさ、今更「ごめん、実はケルト神話なんてなかったんだ!」「な、なんだってー!」とか書き始めちゃうわけにもいかないじゃない』 ケルト系の伝説はゲームにもよく出てくる。
  • 1