ブックマーク / m-majipan.hatenablog.com (153)

  • 高尾山の植物:春 - 近場の博物誌

    高尾山は標高600mである。山道を歩いているとスミレ類のほか、ヒトリシズカ、イカリソウ(画像上)、ヤマルリソウなど、近場の丘陵地(里山)ではほとんど見かけなくなった植物が普通に咲いていた。一方、山地でしか見られない春の花には、すでに紹介したもの以外に、次のようなものがある。 チャルメルソウ(画像下) 渓流沿いの谷道の脇に群落をつくっていた。面白い名前で以前から気になっていた。見るのは初めてだ。花の形が中国楽器のチャルメラ(チャルメルともいう)に似ているというのが名前の由来だ。目を凝らすと小さなラッパ型であることがわかる。ユキノシタ科の多年草で日固有種。花期は4-5月。今度来たらじっくり花を観察してみたい。 ミミガタテンナンショウ サトイモ科テンナンショウ属。多摩丘陵に多いマムシグサによく似ている。仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる花を包む独特の構造は、開口部が横に大きく張り出している。それ

    高尾山の植物:春 - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/19
  • ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目) - 近場の博物誌

    これも高尾山。登山道の渓流沿いにヨゴレネコノメが群生していた。花は終わっているようで、茶色い粒状の実が葉の上に乗っている。濃い緑に黄色い苞葉(ほうよう)が、そこだけ日が当たっているようで美しい。以前から見たかった植物である。 山地は、標高による温度差だけでなく、寒暖の差が大きく、谷間や林内では日照も少ないため生育環境としては過酷である。しかし清水の湧く谷間や湿地など、いまや平地では見られなくなった環境が残されている。そのため独特の植物群がみられる。この植物も多摩丘陵では全く見かけない。 ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草。濃い緑の葉が赤黒くなり灰色の模様が入るため、ホコリをかぶって「汚れ」ているようだ、というのが名前の由来である。「の目草」という名のついた理由については、.適切な画像が撮れなかったので別の機会に紹介したい。 下の画像は別種のヤマネコノメソウ。実が割れて種が見えている。

    ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目) - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/17
  • フタバアオイ - 近場の博物誌

    徳川家の紋所で有名な三つ葉葵のもととなった植物である。葉の形と葉脈の様子を見ると納得できると思う。大きな園芸店の山野草コーナーで鉢植えを見たことはあったが、高尾山では普通に自生していて群落になっている。しかも今回は花まで付けていてうれしくなってしまった。 葵紋の由来は京都賀茂神社とされる。賀茂神社の神紋はフタバアオイを意匠化したもので、かつては神事に使われた神聖なものであった。その後関係のあった三河の松平(徳川)家で三つ巴(ともえ)紋と融合して三つ葉葵になったとのことだ。 ウマノスズクサ科。近縁のカンアオイの仲間は花びらを持たずガクが変形して花のようになっているものが多い。しかしフタバアオイの花はガクをスパッと切ったような円盤形をしている。下から見上げると模様などがまさにUFOで、不思議な感じを受ける。

    フタバアオイ - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/16
  • ナツトウダイ(夏燈台) - 近場の博物誌

    画像だけ見せられると「何じゃこりゃ」となるが、ナツトウダイという植物の花である。何かに似ていると思ったら色といい形といい岡太郎の作品ぽい。(前の)大阪万博(1970年)のシンボルである太陽の塔をつくった芸術家である。 この植物の花序は独特で複雑だ。5つに分かれた花茎の先に2枚の大きな三角形の総苞葉(花全体を包む葉)に乗った花が1つ付き、そこから更に2の枝が出て2枚の小さな苞葉の上にひとつずつ花が乗る。花には花びらがなく中央の雄シベ雌シベを囲むように三日月形の腺体(蜜が出る)が4つ着く。腺体は時間とともに色が緑から黄色・赤に変わる。 トウダイグサ科の多年草。北海道から九州の山地や丘陵地に生える。この画像は高尾山で撮ったものだ。高さは20~40㎝。「夏」という名がついているが花期は4-6月で春から初夏だ。

    ナツトウダイ(夏燈台) - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/15
  • カスミザクラ - 近場の博物誌

    高尾山を登っていくと中腹あたりに満開の桜の木があった。今頃?花色は白で、わずかに紅色を帯び、春の日差しに輝いている。山の上でもほぼ終わっているヤマザクラとは違うようである。 カスミザクラだと教えてもらった。なるほどそれで納得だ。一番遅く、深山で咲いている白い花。霞(かすみ)か雲か…で、カスミザクラ。ずっと見たかった花である。 日のサクラの基原種は10ないし11種類とされており、そのうちの一つである。同じような環境で咲くヤマザクラとは花期が1~2週間遅く、交雑しない。時期的に他の木々に交じって咲くので目立たないが、楚々とした佇(たたず)まいが神秘的である。 今回はスミレで忙しかったので近寄ってみられなかった。今度来たときはじっくり観察してみたいと思う。

    カスミザクラ - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/15
  • 高尾山で出会ったスミレたち - 近場の博物誌

    よく晴れた日曜日、高尾山(東京都八王子市、高さ600m)のフットパスに参加した。目当ては今盛りの色々なスミレ。先導するのはスミレ博士といわれる先生である。(カッコ内は漢字名と代表的な花色) タカオスミレ(画像上、高尾菫、白に紫の筋) 高尾山の名が冠されたスミレ。ヒカゲスミレ(下)の変種で葉の表面が暗赤褐色のものだ。高尾山のものが代表として種の名前になった。全体に紫色がかってどこか神秘的な感じがする。 ヒカゲスミレ (画像下、日影菫、白に紫の筋) 林縁など少し薄暗いところに群生している。普通のスミレより葉が大きい。 ニオイタチツボスミレ(匂い立坪菫、紫) 尾根道に多い。タチツボスミレによく似ているが、花色が濃く、中央が白く抜けた感じになる。画像は日が当たっているため薄い色に見える。花茎に細かい毛がある。顔を近づけると香水のような香りがする。 ナガバノスミレサイシン(長葉の菫細辛、薄紫) 特徴

    高尾山で出会ったスミレたち - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/12
  • 道端の花4月初旬 - 近場の博物誌

    いつもの川沿いの道路で見かけた花。要するに雑草だ。これからイネ科やキク科の夏草が一気に伸び始め、生育が旺盛なのであっという間に場所を占領してしまう。その前の春の一時期、急速に成長し、花を咲かせ種を作る植物群である。 セイヨウカラシナ(画像上) 道端だけでなく川の中州のようなところにも群生している。黄色が美しい。アブラナと思っていたが、よく見るとアブラナのように葉の付け根が茎に回り込まず、短い葉柄でつながっている。からしを作るためにヨーロッパから導入された植物(種が粒マスタードのツブツブ)が逃げ出して野生(雑草)化したものだ。 ノヂシャ(下) 直径2㎜ほどの白い花。かすかに青みがかかっている。スイカズラ科の越年草。ヨーロッパでは立派なサラダ用の野菜だそうである。 オランダミミナグサ ナデシコ科。花は直径6-7㎜だがあまり咲いていない。大量の種をばらまくためいつの間にか大きく広がっている。 キ

    道端の花4月初旬 - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/11
  • クサイチゴの花 - 近場の博物誌

    いよいよ4月。多摩丘陵は様々な花が咲き次々と入れ替わる。草刈りがされた里山の斜面に白いものが見えたので近づくと、一叢(むら)のクサイチゴの花だった。今年もこの花が咲く季節になったなあと思う。 背丈が20㎝ぐらいしかなく小さいのでクサ(草)という名前がついているが、キイチゴの仲間で、ちゃんとした木である。小さいので草刈りを免れたようだ。今の時期以外は目立たないが、よく見ると雑木林内外の至る所に生えている。花は純白。木漏れ日を浴びて輝くようだ。 葉は3枚か5枚の小葉からなる。背丈に対して花が大きく直径2㎝ぐらいある。バラ科の特徴として、5つの花弁の中心に大量の雄シベに囲まれた雌シベが見える。実は真っ赤な集合果でパフェにのせられるラズベリーraspberryの形をしている。5月の連休明け頃に生り、甘くべられる。

    クサイチゴの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/06
  • ヤマルリソウ2023 - 近場の博物誌

    一昨年多摩丘陵を歩いているとき偶然出会った花だ。昨年同じ場所に行ってみたが時期が遅かったためか見つからなかった。今年こそはと探し回ったが見当たらず、あきらめて帰ろうとしたとき目に入った。幻のような花である。 ルリ(瑠璃)という名の通り鮮やかな青色の花だが、咲き始めはピンク色で青く変わる。今年は時期が早かったせいか薄赤紫色で、中央の副花冠が白く抜け、その周りの色がやや濃い。花の直径は1㎝弱、4~6輪ぐらいしかついていない。当に小さくて目立たない。 ムラサキ科。ワスレナグサの仲間である。東京都では絶滅危惧種II類に指定されている。近場で見られるのはここ一か所しか知らない。古い民家裏の道路わきの斜面で、高い木のため薄暗く、枯れ葉がつもり苔むしてちょっと神秘的な雰囲気の場所である。ただ、すぐ近くまで宅地開発が進んでいる。何とか咲き続けてほしいものだ

    ヤマルリソウ2023 - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/04/03
  • ヒゴスミレ - 近場の博物誌

    公園の中の小さな植物園で見かけたもの。白いスミレ自体はそんなに珍しいものではないが、葉が普通でない。葉柄の先が5つに分かれ、さら細かく切れ込んで細くなっている。 花は直径2㎝ぐらいで、5枚の花弁のうち、下向きの唇弁に紫のスジが入り、横向きの側弁の根元に毛がある。花期は3月~5月。 肥後(ひご、今の熊県)で初めて見つかったのでヒゴスミレというが、州、四国、九州の山間部に分布する日在来種である。中国などにも分布するが微妙に特徴が異なる。花弁に張りがあり、花付きが良いので中国産の園芸種かと思われる。

    ヒゴスミレ - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/03/30
  • ハナモモとコガモ - 近場の博物誌

    いつもの街中の川。3月に入り、暖かい日が多くなり日差しも一気に強くなった。街の様子が違って見える。コガモたちは今日もお事中。そろそろカップルができ始めているようだ。 川面の鳥たちばかり見ていたので気づかなかったが、ピンク色の花が咲いている。ハナモモのようだ。護岸や川底の土砂がたまっているところに枯草に混じって点々と花が見える。花は八重咲で色は白から赤までそれぞれ異なっている。しかしどう見ても植えられたものではない。川岸近くの人家のハナモモから実が転がり落ちて流されてきたものが根付いたのか。自然に川の彩(いろどり)になっているのが面白い。 ハナモモは花を観賞するために改良された桃である。花期は3-4月。実はなるが小さく用には向かない。原産地は中国で古くに伝来した。江戸期に多数の品種が作出された。公園に植えられたピンクの噴水のような木もきれいだが、野生化したこんな咲き方もなかなか良いと思う

    ハナモモとコガモ - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/03/08
  • ハクセキレイ(白鶺鴒) - 近場の博物誌

    街中のどこにでもいるのでコンビニ鳥と呼ばれているらしい。基的に川沿いなど水辺の鳥である。ただ近づくと素早く逃げてしまうのでじっくり観察できる機会はほとんどない。ところが数日前のこと、何故か2mぐらいまで近づいても逃げなかった。川の護岸の上をチョコチョコ跳ね回っている。ケガをしていたりべ物を狙っていたりというわけでもなさそうだ。画像はその時のものである。 白地に黒く、クチバシから眼を通ってまっすぐ伸びる線が特徴的だ。さらに頭頂から首にかけて黒く、顎の下にもネッカチーフのような三角模様がある。羽根は上面が薄墨色だ。冬羽(ふゆばね)のメスは頭も灰色なので、これはオスであろう。 セキレイ科。渡りをしない留鳥。空中や土中の虫などをべている。“白”セキレイといいながら黒い部分が多いが、程度の問題である。類縁のセグロ(背黒)セキレイは、身体の上半分のほとんどが黒い。近場では一度だけ見たことがある。

    ハクセキレイ(白鶺鴒) - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/02/28
  • ホシハジロ - 近場の博物誌

    カイツブリのいる公園の池に新顔の鳥が来ていた。典型的なカモ類の姿である。大きさは前後45㎝ぐらい。頭から首は赤茶色で目立ち、胸と尾のあたりが黒く、羽根がくすんだ白色をしている。くっきりとした色分けが面白い。 調べると、名称はホシハジロ(星羽白)。オスである。画像ではわかりにくいが、眼の虹彩(こうさい)が赤く、これを星に見立て、羽根が白いのが名前の由来だ。メスは近くにいなかったが、例によって全体に茶褐色で地味とのこと。冬に日の湖沼や河川に飛来する冬鳥である。 見ているうちに水の中に消え、離れたところに浮かび上がった。以前ここで見かけたキンクロハジロと同じように、潜水がうまいタイプのカモ類だ。潜って水中の水草などをべている。この池は水がきれいだしある程度の深さと広さがあるので住みやすいらしい。

    ホシハジロ - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/02/28
  • カワズザクラ - 近場の博物誌

    近場の公園で見つけたもの。いわゆる寒桜ではない早咲きの桜だ。花期は2月~3月。ひと月近く咲き続ける。今や街中でも珍しいものではなくなった。まだ2月なので空気は冷たいが、明らかに暖かくなった陽射しに映える花だ。 日固有種のオオシマザクラ(大島桜)とヒカンザクラ(緋寒桜)の自然交配種で、静岡県河津町で初めて見つかったのでこの名がある。花色がソメイヨシノより赤紫色が強いのが特徴。光線によっては濃いピンクに見える。 伊豆半島の河津町は温泉でも有名で、数回行ったことがある。海と山に南国の風情があり、最高の環境だったことを思い出す。今は桜祭りが行われているはずである。

    カワズザクラ - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/02/25
  • 雪の上の足跡 - 近場の博物誌

    昨日はこの冬初めての大雪だった。今日は一変して暖かい日差しが降り注いでいる。多摩丘陵にある畑はすっぽり雪に覆われており、日光の反射がまぶしい。純白の世界もなかなかいいなと見渡していると、畑の中を点々と続く小さな足跡に気づいた。 くっきり残っていることから雪や雨が止んで満月が出ていた夜半以降のものだ。追跡してみると少しずつ方向を変えながら畑を突っ切り、雑木林の中に消えていた。両足の幅と歩幅から見て小型のイヌぐらいの大きさと思われる。 足跡は4の指と肉球が小さく丸くまとまっており、前後の足の大きさが同じぐらいだ。私は小型犬を飼ったことがあるが、よく似ている。なお、イヌの5目の指は離れて付いている。ただこれはイヌにしては爪が鋭く長い印象を受けるし、野良犬など長く見かけたことがない。 調べてみるとどうやら同じイヌ科のタヌキの足跡のようだ。可能性として、類縁のハクビシン、アライグマ、アナグマなど

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    k10no3 2023/02/11
  • ヤドリギ(宿り木) - 近場の博物誌

    郊外でバスに乗っていたとき、葉の落ちた雑木林の端の木にヤドリギを見つけた。行ってみると7、8mの高さに直径1m以上の緑のボール状のものがいくつも付いている。宿主の木はサクラで、隣のケヤキの木にも1個見られる。ヤドリギは探しても見つからず、偶然出会うことが多い。 ビャクダン科(遺伝子によるAPG分類)の常緑広葉樹。普通の根を持たず宿主から養分を盗るが、葉緑体を持ち光合成もおこなうため半寄生植物とされる。よく見ると果実がどっさり付いている。径6㎜ぐらいの球形。通常は淡黄色をしているが、画像のものは橙黄色で、アカミ(赤実)ヤドリギという種類かもしれない。 果期は冬で、鳥がついばむ。果実の中の種は粘液に包まれており、鳥の胃腸を通り抜けて排出され、とまった木に付着する。そこで発芽し、寄生根を出して宿主の木にとりつく。何度か巨大なものを見たことがあるが、宿主を枯らしてしまうことはないようだ。神社の木な

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    k10no3 2023/02/05
  • シモバシラ:氷の華(はな) - 近場の博物誌

    今日は節分、明日は立春だが、朝はまだ寒く氷点下の気温が続く。公園の一角にある植物園を歩いていたら、奇妙なものを見つけた。裂けたワラのような枯草の根元に丸い氷の塊がある。径3㎝ぐらい。真っ白で、よく見ると細かい筋があり絹糸のようなツヤをしている。 表示を見ると「シモバシラ(シソ科)」とある。それで納得。秋に咲く花が白い小花がブラシのように並んでいて霜柱を思わせる植物だ。その一方で、「氷の華」を作るのでも有名である。冬に枯れた後、毛管現象で土中の水が吸い上げられる。それが凍るとき、条件によっては茎が裂けて薄い膜状の霜柱になって吹き出し、花のような造形になる。高山では様々な植物が「氷の華」を作るが、特に出来やすいようである。近場では武蔵御岳山などが有名だ。しかし真冬の朝に見に行くのはちょっと大変。こんな近場で見られたのはラッキーだった。 早い時期ならもっときれいだったろう。何度も凍結・融解を繰り

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    k10no3 2023/02/03
  • タムシバの花芽 - 近場の博物誌

    よく行く公園の立木。葉を落とした木々の中で、いつの間にか無数の花芽(蕾)をつけていた。花芽はフワッとした毛に覆われている。寒さも底を過ぎてようやく少し暖かさを増した陽光に輝いて見えた。 この木は「タムシバ」と名札が付いており、昨年の春、コブシそっくりの白い花を咲かせていた。コブシとの違いは、六弁の花や葉が細長いことと香りが強いことである。別名ニオイコブシ。近くにコブシの木があったので比べると、花芽の数が倍ぐらい多いようだ。他にも特徴はあるが、花が咲いた時に比較してみたい。 モクレン科の落葉低~高木。名前の由来には、若い葉に白いハン点があるため皮膚病のタムシのようだというものと、葉を噛むと独特の甘みがあるため「噛(か)む柴(しば)」が訛ったという説がある。

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    k10no3 2023/01/31
  • カイツブリ - 近場の博物誌

    公園の池。小型の黒っぽい水鳥が2羽で住み着いている。警戒心が強く、いつも広い水面の中心付近を泳いでいる。今日たまたま岸の歩道に近い所にいるのを見つけた。やはりカイツブリだ。カメラを向けようとすると瞬間で水に潜ってしまう。15~20秒して2,3m離れたところに浮かび上がる。水面に軌跡のような波は立たない。 頭から身体は黒色、ほほのあたりが赤茶色の渋い色である。クチバシは短く根元に白い点がある。前後につまったような丸っこい体形で足が後ろの方に付いている。図鑑によると体長25~25㎝。コガモよりさらに小さい。カモ類と異なり潜水がうまく、魚や水中の昆虫をべている。 カイツブリ科で全国の池・湖沼に分布する。凍る湖面では渡りをするが、近場では留鳥。奇妙な名は、すぐに水に潜る習性から、水を「掻いて潜る。(掻(か)きつ潜りつ)」が訛ったといわれる。漢字でも「鳰」と書く。水に入る鳥という意味の和製漢字であ

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    k10no3 2023/01/29
  • コガモたちのアイドル - 近場の博物誌

    いつもの川。例によってコガモたちが集まって朝からワイワイやっている。まだ寝ているものもいるが、流れに首を突っ込んで事中のようだ。その中に水面をクルクル泳ぎ回っている集団がいる。そこだけ他と動きが違う。 画像ではうまく撮れなかったが、5,6羽が一方向に径2mぐらいの円を描くように泳いでいる。バラけて、すぐまたまとまることを繰り返している。派手な模様から見て全員オスだ。近くまで来るとチッチッという高音の鳴き声がいくつも聞こえる。そして中心にいるのは一羽のメス。茶系統の地味な羽色をしている。あまり泳がず、方向を変えるだけだ。時々クワ―と声を出す。…何をしているのだろう。 普段はオスメス一緒にいても互いに無関心で、群れとして行動している感じなのだが、今回は意識しているように見える。偶然ではないだろう。人間界で言えば、ジャニーズのグループが一人のファンの女の子の周りを歌いながらまわっているような…

    コガモたちのアイドル - 近場の博物誌
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    k10no3 2023/01/08