長時間労働は社会にどのような影響を与えているのか。10月半ばに「長時間労働の呪縛」として報じたところ、多くの反響がありました。取材を重ね、考えます。長時間労働はなくせないのか――。 これまでの経緯 10月12日、15日の2回に分け、シリーズ「女が生きる 男が生きる」の「長時間労働の呪縛」編を掲載しました。日本企業で常態化する長時間労働が、男性や女性に何をもたらしているのかを考えました。 長時間労働を嫌って大企業を辞めた男性のブログが共感を呼ぶ一方、人気漫画「課長島耕作」の作者の弘兼憲史さんからは「残業をいとわず、仕事を一生懸命やる人も必要ではないか」という意見がありました。日本では「男は仕事、女性は家庭」といった性別役割分業意識が他の主要国以上に強く、女性が孤立して子育てしている実態も報告しました。 長時間労働に対しては若者の間で抵抗感が強まり、「残業ゼロ」改革などに乗り出す企業が出ていま