日本を代表するアニメ監督・演出家、富野由悠季(78)。大ヒット作『機動戦士ガンダム』は、放送開始から40年が経った。ガンダムは、アニメ、プラモデル、ゲームとさまざまに展開し続けている。「鬱屈への共感を生んで、視線を自分の内側にだけ向けてしまう作品は危険だと思う」。日本のアニメを黎明期から支えてきた富野監督が、アニメ、エンターテインメント、そして社会へ問題提起する。(取材・文:藤津亮太/撮影:太田好治/Yahoo!ニュース 特集編集部)
昨年「機動戦士Vガンダム」を見返していた。 一番気になったのが、ファラ・グリフォンの存在の重さ。 理由は、まず後半での劇中の強さだ。 後半でとても強くなったウッソと互角以上に渡り合う強さ。 特にザンネック(ザンネックキャノン)は凶悪だった。 ファラが戦死するキッカケになった マーベットのお腹の赤ちゃんの存在に気を取られなければ、 逆にウッソはファラにやられていた可能性がある。 ファラとカテジナの強さを比べてみる。 カテジナはシュラク隊の面々は葬っているが、 ウッソとの真正面の対決ではファラより強さを示せていない印象を持つ。 カテジナはネネカ隊やコックピットから降りてウッソを直接刺殺する奇襲で、 ウッソに優位に立とうとするが、MS戦においてはファラの強さに軍配が上がる。 次にこれがより大切だが、ファラはVガンダムを象徴するキャラであること。 特にファラが死ぬ47話「女たちの戦場」のファラとウ
友人と遊んでいても、孤独を感じるときがある。 その日は、友人たちと4人で居酒屋に集まり飲んでいた。共通の話題で盛り上がり、楽しい時間は過ぎていく。しかし、途中からガンダムの話に切り替わった。 筆者はガンダムがわからない。 話についていけない筆者をよそに、友人たちのガンダムトークに拍車が掛かる。 白熱する議論。知識の競争。聞いたこともない固有名詞の数々が、目の前を通り過ぎては消えてゆく。筆者はただただ、ひとり寂しく鶏の軟骨揚げをつまみながら、モスコミュールをあおることしかできなかった。 ——あれから10年。 いまだにガンダムをよく知らない筆者は、会社の近くの居酒屋「美亭(よしてい)」で同僚と飲んでいた。 看板や店内の壁に、EXILEのMAKIDAIさんのサインが描かれている。マスターのNOXさんに聞くと「MAKIDAIも僕もガンダムが好きで仲良くなった」とのこと。 さらに聞くと、NOXさんは
日本のアニメ界を創世記から支えてきた巨匠・富野由悠季。日本を代表するアニメコンテンツ『機動戦士ガンダム』の原作者としても知られる富野監督は、『Gのレコンギスタ』を映画化すべく、その制作中であることを公表。奇しくも、同年代のアニメ監督・宮崎駿もジブリ新作映画の制作を発表している。そこで今回、富野監督にライバル“宮崎駿から受けた影響”や“『機動戦士ガンダム』への想い”などを聞いた。 『君の名は。』も映画とは思えない部分がある ――『機動戦士ガンダム』で“リアルロボット”というジャンルを開拓。富野監督の歩んできたアニメ史は、日本の“巨大ロボットアニメ”の変遷そのものともいえます。 富野由悠季所詮は“巨大ロボットものでしょ”と、下に見られてきた時代から、僕はずっと巨大ロボットものを“一般化”するためにどうするか? を考えてきました。“巨大ロボットもの“を、単なるロボットものとしてやっていません。ア
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