企業再生やベンチャーキャピタルなどを手がける米国の投資会社大手カーライル・グループ。日本では、京セラと共同で2200億円を投じたDDIポケット(東京都港区)の買収でよく知られる。 2005年2月に社名を「ウィルコム」に改めたこのPHSサービス最大手は、カーライルに社長就任を打診された八剱(やつるぎ)洋一郎氏の下、再成長の軌道に乗った。2000年以来減少傾向にあった利用者数はV字回復を見せ、今年5月に過去最多の400万人を突破した。 21年間在席した日本IBMで幹部候補生だった八剱氏の話は簡潔で、具体例に富み、とても分かりやすい。そのうえ、人情味も厚い。米IBMの都合で自身が部長を務める部門が日本AT&Tに売却される際、人事部などの反対の声を退け、交渉状況を部下全員にメールで逐次報告。最後は数百人の部下の不安な気持ちを思って真っ先に転籍した。 八剱氏は、なぜDDIポケットの再生を引き受けたの