「ズッコケ三人組」シリーズの本を手に思いを語る那須正幹さん=山口県防府市で2015年10月27日、矢頭智剛撮影 累計発行部数2500万部を超えるロングセラー「ズッコケ三人組」シリーズで知られる児童文学作家で被爆者の那須正幹(なす・まさもと)さんが22日、肺気腫のため死去した。79歳だった。葬儀は親族のみで営む。 1942年、広島市生まれ。3歳の時に爆心地から約3キロの自宅で被爆した。「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子(さだこ)さんは同学年で、後に同級生らに取材して像建立の舞台裏を描いた「折り鶴の子どもたち」を記した。 島根県立島根農科大(現島根大)では森林昆虫学を専攻。自動車販売の営業マンを経て、家業の書道塾を手伝いながら文筆活動に入った。初の長編「首なし地ぞうの宝」が70年、第2回学研児童文学賞の佳作に入選し本格的に作家の道を歩み始めた。