万引きで摘発される高齢者が増えている。かつては罪の意識が低い少年に多い「初発型非行」と言われた万引きだが、山口県内で摘発された年代別割合では、4年前から高齢者が少年を上回って推移。 背景に、経済的困窮や独り暮らしに伴う孤独感などがあるとみられ、山口県警は「高齢者の社会参加を促す取り組みが抑止につながる」としている。 「年金をギャンブルに使い、お金がなかった」 5月17日、山口市のスーパーで男性(76)が豚肉1パック(販売価格232円)を盗んだ疑いで現行犯逮捕された。男性は独り暮らし。山口署幹部は「寂しさを紛らわすためにギャンブルに走り、万引きしてしまうとは。別の趣味があれば、防げた犯罪かもしれない」と、やり切れない表情で漏らす。 山口市内のあるスーパーでは、毎月3回、保安員が巡回して万引きを監視。毎月数人を現行犯逮捕するが、約8割が高齢者だ。盗む商品は菓子や酒、肉など食料品が多く、