2018年2月11日。晴れているものの気温が低い夕方。俺は駅ビルの中にある広めの本屋を物色し、個性の無いスーパーで夕食の買い物を済ませ、エアコンの効きづらい自宅へ向かっていた。 国分寺駅の南口の坂を下りていくうちに、CAFE 6 という甘味処の看板を見て足が止まる。そういえば今年の正月は餅を食べていない。我が家はエアコンが効きづらいため、あらかじめお汁粉かぜんざいあたりで体を温めて帰るのも悪くない。 店内が空いていたため四人席に通され、スーパーの袋を下ろしマフラーを外しコートを脱ぐ。ゆったりとした心持ちでメニューを開く。 並んだ数々の甘味に目を奪われるも、『今年はまだ餅を食べていない』『家が寒いので暖まっておきたい』という自分への理由付けで入店した手前、お汁粉とぜんざいってどう違うんですかなんて野暮なことを尋ねながら初志貫徹しお汁粉を注文。お汁粉の方が水分が多いようだ。 提供されたそれは控