アルミやステンレスに押されて苦戦を強いられている鉄器。ところが海外で、鋳物の質感を愛好するファンが増えている。その立役者「IWACHU」の社名は、今や南部鉄器の代名詞だ。 フランスはパリに本店を構える茶葉専門店の店頭で、女性客が店員に尋ねる。「自宅で使うIWACHU(イワチュー)を探しているんだけど」。 欧米のお茶愛好家の間で、「イワチュー」が流行している。その意味するところは、岩手県名産の工芸品である「南部鉄器」。彼らはこの言葉が日本語の道具名だと思っているので、来日して茶器の販売店で鉄瓶を探しながら「イワチューはありませんか」と尋ねたりするが、当然ながら通じない。 この言葉の元になった会社が、盛岡市にある。その名も岩鋳(いわちゅう)。創業一族の姓である「岩清水」と鉄器の「鋳造」、その両者から1文字ずつ取ってこの名がついた。創業が1902年。100年以上続く南部鉄器メーカーだ。 売上高1
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