村田沙耶香の青春小説。大人しくて地味な女の子と、キモがられてクラス内ヒエラルキーから取りこぼされた女の子の話。こういうのが読みたかった。森絵都が好きなんですが、もっとシビアな設定で書いてほしいなあと思っていました。「永遠の出口」はなんだかんだいって健全な話だったし、「カラフル」はイジメとか設定は暗かったけど奇跡を使っちゃうし。シリアスな舞台でなんとか生きようとする森絵都主人公が読みたかった。そして本書はまさにそんな感じの話なんです。白岩玄「野ブタ。をプロデュース」からギャグとフィクション的なオチを抜いて洗練したとも言えそう。 学校という場所はスーパーのようなもので、私達は陳列されているのだと、私はようやく気づき始めていた。私達を評価するのは大人たちだと、私はずっと思っていて、いい子であるようつとめていた。けれど、本当の買い手は生徒たちの方だったのだ。そして、そのことにずっと前から準備をして