熊本県の阿蘇山が噴火した8日、阿蘇市などで大規模な停電が発生した。火山灰と雨により送電設備の機能が損なわれたことが原因と見られ、九州電力は対応を検討するという。 停電は噴火から間もない午前2時ごろに4市町村の約2万9千戸で発生。午後6時ごろにも3市町村の約2万7千戸で発生し、最長で約5時間半に及んだ。 九電によると、送電線と鉄塔の間には、高圧電流が鉄塔に伝わらないよう、絶縁特性を持つ陶磁器製の「碍子(がいし)」を挟んでいる。だが、碍子に火山灰が積もり、さらに雨水が付着。電流が湿った火山灰を伝って鉄塔に流れたため安全装置が作動し、送電が遮断されたとみている。 九州電力の職員らは8日、鉄塔計11基の碍子を一つ一つ布で拭いた。今後の停電防止のため、電柱約1200本の碍子も3日間かけて洗浄したという。 九電は、鹿児島市で桜島の火山活動が活発化した昭和50年代以降、碍子などを火山灰から守るため、市内