絶滅危惧種ウミガメの上陸、産卵数が日本で最も多い鹿児島県・屋久島。30年余り浜での保護や清掃活動に取り組んできたNPO団体が後継者不足を理由に活動を終える。島の観光の目玉でもあるウミガメ。浜の見守りがいなくなることで将来が心配されている。 屋久島西部にある永田浜。7月初旬、この日は台風の影響で、雨風が強く浜で立っているのもやっとの状態だった。 「浜に上がっています」「了解」。夜、猛雨の中、調査員が無線で交信する。調査員はウミガメの産卵を確認後、カメのサイズや上陸地点、産卵箇所を書き取り、産卵地に目印の棒を立てた。カメは光があると上陸しづらく、調査員もライトを控える。時折、海岸線を走る車のヘッドライトがまぶしい。街灯はなく、暗闇の砂浜が足を重くさせる。ブヨなどの虫刺されもつきものだ。作業は明け方まで続いた。 NPO「屋久島うみがめ館」はカメが上陸、産卵して孵化(ふか)する5月下旬から8月下旬