忘れられない講義 忘れられない大学の講義がある。 2000年の年末に琉球大学で開講された「社会科学総論」という集中講義で、講師は宮内洋(当時は日本学術振興会特別研究員PDで、現群馬県立女子大学教授)さんだった。 確か、大学の掲示板に貼られた事前の講義案内には「皆さんの貴重な年末の時間を無駄にはしません」といったことが書かれていた。クリスマス前後の時期であったため、学生を集めるための誇大広告だろうと思った。 また、「講義内容は受講生の関心によって大幅に変更する」とも書かれていた。講師も年末で忙しいから詳しいシラバス作成は間に合わなかったのだろうと思った。とにかく、あまり期待せずに講義登録をした。 受講生は20名もいなかったと記憶している。講義初日、チャイムが鳴っても教室には講師はあらわれない。 数分たつと教室の一番後ろに座って隣の学生と雑談をしていた30代らしき風貌の男性が立ち上がり、教卓の
![「先生かどうかわからない人」が教えてくれた他者への想像力の磨き方(打越 正行) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b0be87d9fa4c88667e6d09c2b24f52012fcb1fda/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Ff%2F1200m%2Fimg_ffa1b9d9599e85bc79e7e81da47bf66b71038.jpg)