クチキゴキブリは日本では九州以南の森林に生息し、朽木を食べながら朽木内部に掘ったトンネルの中に親子で棲むゴキブリです。九州大学大学院システム生命科学府 一貫制博士課程4年 大崎遥花と、九州大学大学院理学研究院 粕谷英一 准教授は、沖縄に生息するリュウキュウクチキゴキブリにおいて、配偶するオスとメスが交尾の際に互いの翅をほぼ無くなるまで食い合ってしまう「翅の食い合い行動」を発見しました。 翅の食い合いは、4〜7月の繁殖期に翅のある新成虫が朽木の外に出て、配偶相手を探す時期に行われます。朽木の外に出た新成虫は飛翔して配偶相手を探し、オスとメスが出会うとお互いに翅を食べ合います。翅は再生しないため、以後、オスとメスは一生飛べなくなります。 翅の食い合いは「性的共食い」または「婚姻贈呈」と捉えることができます。性的共食いとは、カマキリのメスがオスを食べてしまうなど、配偶相手を食べて殺してしまう行