稀代の悪女か、魔性の女か!? 傍聴した女性ライターが正体に迫る 文杉浦 由美子 (ノンフィクションライター) 練炭自殺に見せかけて男性3人を相次いで殺害した罪などに問われた木嶋佳苗被告(37)に死刑判決がくだされた。4月13日、さいたま地方裁判所は「ぜいたくで虚飾に満ちた生活を維持するために3人もの尊い命を奪ったもので責任はまことに重大だ。反省は一切うかがえない」と断定。直接的な証拠や自白もないこの裁判は状況証拠を検証するために、約60人もの証人が呼ばれ、合計36回の審理が行われた。裁判員の任期が最長100日となるために「100日裁判」として話題になった。 ※ 私がこの裁判の傍聴に行ったのは、一個人としての好奇心からである。木嶋佳苗は高校卒業後の1993年に上京している。私はその年に大学を卒業して社会人になった。バブルの余韻が残り、家賃や物価が高かった当時、東京で地方出身の若い女性が自活す