巻いたり、折ったり、貼り合わせたり……古い書物にはいろいろな形、大きさ、デザインがあります。そんな装丁の違いや、さまざまな姿によって分かる、古典籍の性格についてお伝えします。 「巻物」から「袋綴」まで 木や竹に文字を記した木簡(もっかん)や竹簡(ちっかん)を除けば、東アジアの書物で最も早く登場したのは、巻物。私たちは「巻子本(かんすぼん)」と呼んでいる。紙を継ぎ足せばどんどん長くでき、巻くだけだから、作るのに特別な道具や技術を必要としない。単純な形態だ。 巻子本を見る時、通常は、全てを広げるのではなく、右手で見た箇所を巻き取りながら、左手で新しい箇所を開いてゆく。一度に肩幅くらいの長さしか開かないため、最後まで見るには時間がかかる。見たい箇所をパッと開くこともできないので、調べものには不便であり、巻き取りの手間があるため、読むのにある程度時間がかかる。 そこで登場したのが「折本(おりほん)