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ブックマーク / www.tokyoartbeat.com (9)

  • 「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪)

    相次ぐ「大吉原展」への批判ここ数日、「大吉原展 江戸アメイヂング」(以下、展)がSNSを賑わせている。展は、かつて江戸/東京にあった公娼街・吉原遊廓を取り上げたもので、今年3月から東京・上野の東京藝術大学大学美術館で開催される美術展である。展公式サイトのステートメントには「『江戸吉原』の約250年にわたる文化・芸術を美術を通して検証(改行)仕掛けられた虚構の世界を約250件の作品で紹介する」とある。 マンガ家・瀧波ユカリ氏のX(旧Twitter)では、前述のステートメントに続く序文を指して、「ここで女性たちが何をさせられていたかがこれでもかとぼやかされた序文と概要。遊園地みたい。」と非難するコメントをポスト。ここを起点にSNS上での意見対立を生んでいたようだ。 筆者の私は遊廓を専門に扱う書店・カストリ書房を経営しているが、同店は吉原遊廓が戦後に何度か看板を掛け替えて現在は吉原ソープ街

    「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪)
  • アーツ前橋の問題が東京藝大に波及。アーティスツ・ユニオンが意見書提出、学生が説明を求める動きも

    「深刻な出来事」と再発防止を要望国内や世界を拠点に活動する現代美術家の労働組合「アーティスツ・ユニオン」(村上華子支部長)は、東京藝術大学の日比野克彦学長に「アーツ前橋の契約不履行事案にかかる再発防止を求める意見書」を6月20日に送付したと発表した。意見書は、アーツ前橋が2019年に開催した企画展の記録集の発行を中止し作家に業務委託料を一部支払わなかった問題を、「美術業界に関わる誰しもが尊重される平等で公平な労働環境の実現をはばむものとして、非常に深刻な出来事」と指摘。同大教員のアーツ前橋前館長(編集部注:住友文彦=当時東京藝大大学院准教授、2021年4月より教授)が、問題に関わっていたとして再発防止を求めた。被害を受けたアーティストの名誉回復に努めることも要望した。 また、前館長が教授を務める東京藝大大学院の学生からも大学側に説明を求める声が上がっている。 2013年の開館以来、気鋭の作

    アーツ前橋の問題が東京藝大に波及。アーティスツ・ユニオンが意見書提出、学生が説明を求める動きも
  • 東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性|Tokyo Art Beat

    飯⼭由貴《In-Mates》《In-Mates》は、26分46秒の映像作品。作の概要として、小田原のどかによる解説を以下に引用する。 《In-Mates》は、1945年に空襲で焼失した精神病院・王⼦脳病院(東京)の⼊院患者の診療録に基づくドキュメンタリー調の映像作品だ。王⼦脳病院には、1930〜40年まで⼊院し、院内で病没した2⼈の朝鮮⼈患者の記録が残されていた。 作では、同院の診療録に記録された2⼈の朝鮮⼈患者の実際のやりとりに基づき、ラッパー・詩⼈で在⽇コリアン2.5世であるFUNIが、⾔葉とパフォーマンスによって彼らの葛藤を現代にあらわそうと試みる姿が記録されている。 また作品内では、当時の時代背景へ学びを深めるため、FUNIと飯⼭が精神医学史と歴史学のレクチャーを受ける様⼦も収められている。歴史学については、外村⼤が講師を務めた。 飯⼭はこれまでも、精神医療と⾃らの家族、障害者

    東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性|Tokyo Art Beat
    kaeru-no-tsura
    kaeru-no-tsura 2022/10/29
    にゃごやのアレの上っ面だけみたいな“パフォーマンス”と違って百合子はガチ
  • 「私たち」の美術史に出会える展覧会。町田市立国際版画美術館「彫刻刀が刻む戦後日本」展レビュー(文:横山由季子)

    「美術館」が取りこぼしてきたもの近代社会とともに生まれた美術館は、その誕生から200年以上が経過したいまでも、基的には近代的な主体としての芸術家が制作した作品を収集・展示している。つまり、美術教育を受けたか否かにかかわらず、人生において継続して制作に取り組む作家が、ある独自性ないしはスタイルを確立した作品であることが暗黙の前提となっている。美術館という場所は、そのような未来に残すべき価値を有した作品を収集・保存するという、見方によってはいささか傲慢な、けれども切実な使命を背負って、日々試行錯誤を続けてきた。 したがって、芸術家ではない人物がある一時期に制作した作品や、子供の手による作品は、特別な理由がなければ、美術館では取り上げられにくい。では、そういった作品に価値がないのかといえば、もちろんそんなことはない。たとえ「芸術家」による作品ではなくても、制作した人はもちろん、その周囲にいる

    「私たち」の美術史に出会える展覧会。町田市立国際版画美術館「彫刻刀が刻む戦後日本」展レビュー(文:横山由季子)
  • 「おかんアート」が不可視化しているものとは何か。「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」レビュー(評:山崎明子)

    ▶︎ 都築響一+「下町レトロに首っ丈の会」キュレーションによる「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」が、東京都渋谷公園通りギャラリーにて1月22日~4月10日に開催されている。「おかんがつくるアート」のことと展が定義する「おかんアート」とはなんなのか、その歴史的文脈をふまえて解説。視覚文化論、美術制度史、ジェンダー論を専門とし、手芸とアートの関係をジェンダーの視点から研究してきた山崎明子(奈良女子大学教授)が論じる。【Tokyo Art Beat】 「おかんアート」の前で思考する「おかんアート」というものが以前から気になっていた。一目見て自分の身近にあったもので、懐かしいと感じる作品が多い。私自身、子供時代にこれらを母と作った記憶がある。小学生でも作れるもので、こうしたモノを作りながら縫う・編む・結ぶなど手芸の基技術を知らずに学んだのだと思う。東京都渋谷

    「おかんアート」が不可視化しているものとは何か。「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」レビュー(評:山崎明子)
  • 民藝のための婉曲語法。東京国立近代美術館「民藝の100年」展レビュー

    民藝をとらえ直す大規模な展覧会「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」展を、批評家の清水穣がレビュー。 会場風景より、写真左から《鉄砂虎鷺文壺》(17世紀後半)、《染付鉄砂葡萄栗鼠文壺》(17世紀末期〜18世紀初期)、《染付辰砂蓮花文壺》(18世紀後半) 宗教哲学者であり、文筆活動を主体として民藝運動を推し進めた柳宗悦。その没後60年を記念展し、東京国立近代美術館にて「民藝の100年」が開催中だ。 「民藝(民衆工芸)」とは、ありふれた「平凡な、当たり前な品」に美を見出す思想のこと。その思想の背景には行き過ぎた近代化を反省し、自分たちの足元(ローカル)を見つめ直すという時代の流れ、そして資主義の矛盾に苦しむ地方の農村や産業の姿があった。展はこうした状況への「実践」として民藝をとらえ直すため企画された。 多数の作品と資料で6章にわたって民藝の全貌を読み解く展だが、じつは省略されたていた

    民藝のための婉曲語法。東京国立近代美術館「民藝の100年」展レビュー
  • “時代に逆行した面倒なメディア”=演劇が今、なぜ必要なのか? フェスティバル/トーキョー新ディレクター長島確インタビュー

    ホーム / ニュース・記事 / “時代に逆行した面倒なメディア”=演劇が今、なぜ必要なのか? フェスティバル/トーキョー新ディレクター長島確インタビュー 現代ほど“つながり”が簡易化した時代はない。SNSを介せば見ず知らずの人にも簡単にコンタクトが取れるし、長らく会っていない友人の近況だって逐一チェックできる。人と人が交わるために、わざわざ時間と手間を割いて直接会う必然性はなくなってきているのだ。 しかし、「人と人が会う面倒さを当に捨てられるのか」と、長島確は立ち止まって考える。長島は、まだ日では馴染みが薄い「ドラマトゥルク」というポジションから舞台芸術に携わり続けてきた人物であり、今年4月からフェスティバル/トーキョーの新ディレクターに就任が決まった。 多様なメディアが誕生し、世界中で政治の「劇場化」が叫ばれる今、舞台芸術の存在意義はどこにあるのだろうか。国内最大級の国際舞台芸術祭、

    “時代に逆行した面倒なメディア”=演劇が今、なぜ必要なのか? フェスティバル/トーキョー新ディレクター長島確インタビュー
  • ミューぽん Mupon: 東京の美術館割引アプリ | Tokyo Art Beat

    ミューぽん は美術館の割引券クーポンです。 ミューぽんは、東京都内・関東近郊を中心に、掲載の美術館・アートイベントアプリ画面を表示すると割引が受けられるクーポンです。イベント情報は毎週最新の情報に更新され、美術館での展覧会を中心に、アートフェアや地域型イベント、パフォーマンスや映画まで、様々なイベントが追加されます。使い方は簡単、窓口で割引チケット画面をタップして見せるだけ。 これまでに、のべ110,000人がミューぽんでイベントに足を運んでいます。有効期間中、さまざまな展覧会・イベントを割引料金でお楽しみください。 ※Android版の開発は終了しております。 年間のべ約200件以上のイベントの割引を掲載! 会期のスタート・終了をプッシュ通知でお知らせ 学割との併用ができるイベントも多数 友達を誘って出かけるとさらにお得! 感想をSNSで簡単にシェア

  • 関根伸夫 「位相 – 大地」の再制作

    関根伸夫 「位相 - 大地」(1968)1968年10月に、神戸の須磨離宮公園で、関根伸夫が「位相 – 大地」を制作しました。深さ2.7メー トル、直径2.2メートルに掘られた穴と、全く同じ高さ、直径に固めて作られた土の円柱で作られている「位相 – 大地」は、「もの派」というアーティストグループの初期の作品に対する大きな分岐点となり、日戦後美術史の象徴的な作品として認められています。もの派についてより知りたい方は、こちらの特集記事をどうぞ。 40年ぶりに、「位相 – 大地」の再制作が、「多摩アートラインプロジェクト」において行われました。展では様々な作家による作品が11月1日から9日まで多摩川駅前の田園調布せせらぎ公園など、東急多摩川線沿線に設置されています。 1968年には、その当時に20代の関根ともの派の何人かのアーティストと一緒に手掘りで作品を制作しましたが、今回は建設会社の応援

    関根伸夫 「位相 – 大地」の再制作
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