住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を巡る訴訟についての最高裁判決(注1)が,平成20年3月6日に出ました。自己情報コントロール権を侵害するとして住民票コードの削除請求を認めた大阪高裁判決(注2)に対する判断を示すもの,という点でも注目を集めた判決です。 最高裁の判決要旨は,以下の通りです。 行政機関が住民基本台帳ネットワークシステムにより住民の本人確認情報を収集,管理又は利用する行為は,憲法13条の保障する個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由を侵害するものではない 今回はこの最高裁判決を題材に,個人情報保護,プライバシー(権),自己情報コントロール権(及びセキュリティの話も少々)といった問題を整理したいと思います。 違憲,合憲の判断とセキュリティ問題は無関係 この訴訟は,住民が自治体を相手取って,人格権侵害に基づく妨害排除請求として,住民基本台帳からの被上
前回は,住基ネットに関する最高裁判決(注1)の判断を,大阪高裁の判決と対比しながら紹介しました。今回は,最高裁判決が判断した内容について,もう少し分析したいと思います。 新しい人権の根拠となる憲法13条の幸福追求権 最高裁判決が「自己情報コントロール権」という言葉を使っていないという点を,どのように考えるべきでしょうか。 前回も紹介したように最高裁判決は 憲法13条は,国民の私生活上の自由が公権力の行使に対しても保護されるべきことを規定しているものであり,個人の私生活上の自由の一つとして,何人も,個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由を有するものと解される(最高裁昭和40年(あ)第1187号同44年12月24日大法廷判決・刑集23巻12号1625頁参照)。 という幸福追求権を定めた条項です。本条項は,憲法上個別の人権として定められていないものであっても,かかる条文を根拠
初めて梅干しを作ってみた話 今年の夏、初めて梅干しを作りました。 私梅干し大好きなんですが、自分で作るという発想がなくて…同僚が梅シロップを作っているのに影響されて去年から梅仕事を始めてみたんですが、そのときの説明書に「梅干しの作り方」というのも入っていて、えーー梅干しって自分…
先日、この日記でも話題にした「ストリートビュー」。 (参考) googleストリートビューは「二輪の自動車以外の自動車通行止め」区間をどうやって撮影したのだろうか - [ 悠 々 日 記 ] googleストリートビューは「二輪の自動車以外の自動車通行止め」区間をどうやって撮影したのだろうか、の補足 - [ 悠 々 日 記 ] これについて、朝日新聞の読者投稿面「声」に 先週、今週と相次いで反対意見が掲載されました。 のぞきの恐れ 街路検索機能 主婦 ●●●●(横浜市港北区 53) 今月5日から、インターネット検索グーグルの「ストリートビュー」が始まった。翌日、「見てよ!」と娘が示したパソコン画面には3方向から撮られた我が家が。車のナンバーも読める。角地なので3方向になったのだろうが、気味が悪い。 本紙7日朝刊社会面によるとグーグル側は「人の顔はぼかし、車のナンバーは映らないようにしている
2008年5月某日、立教大学および東京大学にて、内藤朝雄さんとの対談を行いました。当日は内藤さんのご好意で、「対談→立教大ゼミ院生を交えた討議→移動→東大院講義→質疑応答」という「チキさんスペシャル」(笑)と題したスケジュールを組んでいただき、内藤さんやゼミ生の方にはあらかじめ7月に発売した拙著『ネットいじめ』のゲラを読んでいただいた上で、多くの貴重な意見やフィードバックをいただきました。 そこで、ここにその時の対談の模様を公開いたします。対談は、いじめ研究の第一人者、内藤朝雄さんが「学校裏サイト」や「ネットいじめ」についてどのように考えているのか、現在必要な対策とは何か、メディア報道の問題はどこか、「寛容な社会」は実現可能か……などなど、様々な論点にわたっています。ひとつでも、何かみなさまの参考になれれば幸いです。 ■議席にエントリーすることと専門家の役割 チキ:内藤さんと会うのは約半年
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