山開き直後の富士山に男性がスニーカー、Tシャツといった普段着で挑み、頂上近くの厳しい寒さの中で体力を奪われて救助される騒動があった。対応に追われた消防、警察は「軽装すぎる」「一歩間違えれば死んでいた」と怒りが収まらず、登山のプロであるアルピニストの野口健さん(36)も「完全にアウトなパターン」とあきれ顔だ。夏山とはいえ、高山病などの危険性はあり、登山に念入りな準備は必要不可欠。しかし現実にはこの男性以外にも、無計画な登山が相次いでいるのだ。(静岡支局 玉嵜栄次、橋本昌宗)「やっぱりダメ。動けない」 「富士登山に来たが暗くて道が分からない。寒くて動けない。怖いので助けて」 山開き翌日の今月2日午後9時45分、静岡県御殿場市消防本部に男性の声で119番通報が入った。助けを求めたのは東京都中野区のパチンコ店員の男性(22)で、富士山の8合目(標高3250メートル)付近から携帯電話で通報してきてい