日本でも発達障害という言葉が広く知られるようになってきた。自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が大きな注目を集める一方で、ほとんど診断や対応がされない障害もある。 今回、小児科専門医で発達障害に関する多数の著書を持つ平岩幹男氏が、「発達性読み書き障害(ディスレクシア)」を抱える子どもたちの実態と障害の乗り越え方をお伝えする。 健太くんの場合 健太くん(仮名)は現在小学校2年生です。生まれる時にも生まれてからも特に問題なく過ごしてきましたし運動や話し言葉の発達にも問題はありませんでした。 あとから振り返ってみると幼稚園の時に文字や数字には興味を示さなかったそうですが、会話や生活習慣には問題なく、通常学級で小学校生活がスタートしました。 ゴールデンウィークが終わって教科書を使った授業が始まりました。 文字の音読から教科書の文章の音読へと一気に進んでいきますが、健太く