いよいよ幕開け、日本版SOX法を巡るドタバタ劇 「来年のネタはやっぱり、ソックスですかね」。 少し前、大手IT(情報技術)企業の取締役からこう聞かれ、答えられなかった。この質問に即答できるのは、一部のめざといIT企業と、公認会計士の方ではなかろうか。 筆者は質問の意味が分からず、「ソックスって何ですか」と聞き返してしまった。ソックスとはSOXのことだそうで、米国の企業改革法を指す。この法律は通称サーベンス・オクスレー法と言い、これをSOX法と略記することがある。筆者は「エスオーエックス」と読んでいたため、ソックスと言われてもぴんとこなかったのである。 ソックスは米国の法律で、米国市場に株式を上場していない日本企業にとっては関係ない。冒頭のIT企業取締役が聞いているのは、いわゆる日本版SOX法についてである。彼の質問を分かりやすく書き直すと次のようになる。 「2006年、日本のIT